敬天愛人 宝徳 健

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   未熟な、ほんとうに未熟な経営者としてスタートして4年半が過ぎようとしている。サラリーマン時代のちょっと人より仕事ができるうぬぼれた自分など微塵も 吹き飛ばしてくれる経営という仕事である。いろいろなことに手を出し、いろいろなことに失敗して現在がある。まだまだ、模索中で、これまで失敗(マイナス 分)を取り戻すのに必死であり、世の中のためになる事業を手がけていないことには忸怩たる思いがあるものの、自分の一生をかけて必ず世の中に貢献できる経 営者となることを誓ってやまない毎日である。
   小さな小さな会社の経営者であるが、苦しいときにいつも考えることが、これまでお会いする機会に恵まれたすばらしい経営者の方々の考えであり言葉で ある。

敬天:天を敬う。天道をもって善しとせよ(自然の道理、人間として正しい道)
愛人:人を愛する(己の欲や私心をなくし、"利他"の心をもっていきるべし)

 稲盛氏(このように書かせていただくことがおこがましいが)、はこの言葉を万世共通の言葉としている。

 私は稲盛氏にはお会いさせていただく機会には恵まれていないが、これまで出会った、心が震えるような経営者の方々は、例外なく高い人間性を有して いた。翻って自分のことを考えると、ちょっと調子がよくなると欲が生じ、調子が悪くなると、やっと自分をとりもどす。まるで、聖書に出てくるユダヤ人のよ うな行いを繰り返している。
 これまでに出会ったすばらしい経営者は、毎日同じ行動を繰り返していた。あるときにたくさん仕事をして、あるときにはそうではない。このようなことを自 ら戒めていた。その方からは「儲けようと思うな。儲けようと思うと商売が小さくなる。お客様に応えていると、お客様が自然に大きくしてくれる」とよく教え られた。

 最も尊敬する出光興産㈱の創業者 出光 佐三翁は、「順境にして悲観し、逆境にして楽観せよ」と言っている。どちらも言葉にすれば簡単だが、経営 者として実際に行ってみると、自分の心に勝つことがどんなに苦しいことかを体験できる。私は、一生この修業をしていくこととなるであろう。

 今回の稲盛氏の記事の中に、次のようなくだりがある。(若干編集)
「西郷 隆盛が沖永良部島に流されていたときに、村人に仲良くしてもらったお礼に、島の子供たちに「四書五経」を中心に中国の古典を読んで教えたそうで す。(中略)「誰もが直ちに実行できる方法がある。それは何であるか」と。子供たちは答えられません。「それはね、欲を離れることだよ」(中略) その通 りなんですね。現代の世相が乱れているのも、すべて欲が多すぎるために起こっている問題ばかりなんです。企業経営者でも政治家でもそうです。お互いに欲を 少しずつ削れば、自分がほんの少しだけ損をする覚悟をすれば、他人に譲り合える勇気さえあれば、すべてのことがうまくいくんです。たった1点なんです。」

 また、聖人君主になるのではなく、「そうなりたい」と強く思うことが大切であるとも述べられている。
 
 私の前職「出光興産㈱」はかつてすばらしい会社であった。会社としては最も戦力となる10年目前後の社員を45日間仕事から隔離して「人間形成」の教育 をする「店主室教育」が実施されていた。この研修に私が参加した際、人間尊重という同社の理念を勘違いしていることを思い知らされた。自分が尊重されたい と思うことが人間の本能であるが、力もない自分は尊重されない、また、どんなに力があっても、それを自分のことばかりに使っていては尊重されるわけがな い。

 武士道という日本古来から流れる精神文化とは、このようなことではないだろうか。経営者として一生かかってそれを実践できるようになりたい。私の 願いはそれ一点である。

 自分の欲を抑え、お客様にも社員にも、この微々たる力を少しでも分けられる人間に早く成長し、私がすばらしい経営者の方々から良い影響を与えてい ただいたように、関係する人々に少しでも何かをいただいてもらえる人間に成長したい。

以上

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コメント(2)

安倍さんを総理とする救国内閣の布陣、素晴らしいですね。この布陣で10年日本を引っ張って行って貰えたら日本は甦るでしょう。実現することを祈っています。


 右田さん、はじめまして(ですよね?:汗)。コメント感謝します。安倍さんも、早く出てきて欲しいですよね~。日本が本来の日本であるために、私たちも前に進みましょう。

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このページは、宝徳 健が2005年10月 2日 21:40に書いたブログ記事です。

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