①日本企業のROEは、2002年3がt期にマイナスとなった。
②昨今急速に改善してきているが欧米の平均水準は下回っている。
③改善内容
1)2006年3月期見通し
上場企業の平均で8.9%と前期を1.3ポイント上回り連結決算として過去最高。
2)増益企業(分子)に加えて自社株買いで余分な資本を減らした(分母)効果。
3)鉄鋼・商社といった市況関連産業で伸びが目立つ。:新日鉄 23.8%(3.1↑)三菱商事 18.9%(5.5↑)、住友商事 13.1%
(2.9↑)。
もちろん、国際的な感覚を無視することはできません。日本の企業は、市場の原理を無視しすぎ、企業の理論を市場に押し付けてしまったため、衰退の
一途をたどり、1990年代の失われた10年を招いてしまいました。
日本人の悪い癖で、一度失敗してしまうと、それをよく検証せずに、失敗したことはすべて悪いと思い込んでしまうことがあります。ほんとうに私たちは経済
活動においてすべて失敗してきたのでしょうか? プラザ合意のあと、どうしても伸びない内需にたよざらるを得ない経済状態を、国民みんなで、政府や企業を
先導して、招いたバブルです。しかし、1980年代には「ジャパン・アズ・NO.1」 として、世界のスタンダードを生み出したのは日本人であったはずで
す。その驕りがバブルです。
かつては、生産性や付加価値を大切に国家経済を創造してきました。それに驕り、「拝金主義者」となった日本国民が、生産性や付加価値という「人」 から目をそらし「お金の生産性」に走ってしまったからいけなかったのです。
人口減社会を迎える私たち日本人は、人の生産性・付加価値を追い求め、豊かな消費社会を創造するか、お金の生産性を求め、貧富の差が激しい小さな 国家経済を構築するかの選択を迫られています。金融市場原理は否定しませんが、そこにだけ走ってしまっては、後者となります。
ROEにしても、リストラや自社株買いで向上させ、市場の評価を得ることは、経営者として最低限大切でしょう。しかしながら、お金で計る企業価値
は向上しても、本当に実質的な企業価値は向上しているのでしょうか? 人は育っているのでしょうか?
新たな付加価値を市場に提供できたのでしょうか? 社会に貢献できているのでしょうか?
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