言葉で気をつけるのは、法定相続人とは、欠格・廃除・放棄等がなかった場合の法律上の相続人と規定されている者です。
相続人とは、実際に相続人となった人です。
単純かもしれませんが、これが後々とても大切になってきます。
問題「Aさんは、5歳のとき実の親との親族関係を断絶し、養親の摘出子となりました。Aさんが30歳のとき、実親が亡くなりまし、Aさんは、実親のときの 兄弟に相続権を主張しました。Aさんに相続権はあるでしょうか?」
基本「子は第一順位で相続人となる。子が数人いるときは同順位で均等に分割する。男 女の間に差はなく、結婚して戸籍や姓が別になっても子供である以上は相続権がある」
1.実子と養子
長男であろう次男であろうと三男であろうと相続の順位に差異はありません。実子でも養子でも同様に取り扱われます(ただし、相続税法上の取り扱いで、養
子の数は一人または二人までとなっています)。養子は、実親およびその親族の相続権も養親の相続権も有します。
ただし、特別養子制度とにしたがって、養子縁組をした場合には、実親及びその親族の相続権はなくなります。ですから、問題のAさんには実親の相続 権はないことになります。
※特別養子制度:原則として6歳未満の幼児で実親及びその親族との親族関係を断続し、完全に養親の摘出しとして取り扱う制度
2.非嫡出子
結婚外で生まれた子で、父又は裁判所が認知した子(非摘出子)も、実の子である以上は相続権がある。ただし、相続は摘出子の2分の1となる。非摘出子
は、父子関係は認知された場合でないと生じないので、認知されない子は、生物学上の父の財産を相続することが出来ない。
3.代襲相続
孫は直接的には相続人とはならない。しかし、相続発生時に子(孫の父母)が死亡していた場合、孫は子の相続分について相続することになる。これを代襲相
続という。孫も死亡してその子が存在する場合は、再代襲、その孫の子も死亡してその子が存在するときは再々代襲する。
4.胎児の相続能力
相続開始時に退治であった者も、生まれたものとみなして相続権が認められる。ただし、死産の場合には、実務上このような取り扱いをしないこととしてい
る。また、相続税法では、相続税の申告書の提出において、まだ胎児が生まれていないときは、その胎児がいないものとして取り扱われる。 ここがわかりにく
いかもしれませんが、相続税と確定させることと、相続人が相続をすることは別問題だと理解してください。
5.未成年の子の場合の特別代理人の選任
相続人が未成年の場合には、法定代理人の同意又は代理が必要となる。さらに、法定代理人が意思表示をすることが未成年者と利益相反する場合(その法定代
理人も相続権者な)には、家庭裁判所に特別だいりにんの選任を請求しなければならない。
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