第一回はM&A のれん代、複数年で償却です。
ポイントの箇条書き
☆2007年3月期以降は、企業買収で生じるのれん代の一括処理はできなくなる。(企 業結合会計基準の適用が始まるから)
☆のれん代を単年度で一括償却し特別損失で計上することを原則禁止するルールが 盛り込まれた。
☆企業会計基準委員会「将来にわたって利益の上積みが見込めるのに一気に損失処 理するのは理屈に合わない」
☆買収企業が業績に貢献する年数などからのれん代の寿命を見極め、20年以内の 期間で定額償却する。
☆複数年で均等に分け販管費に計上することで、買収コストに対してどれだけ利益 が出ているか明確になり、投資家が買収の成否を判断できる。
☆今後はM&Aをする際は、新基準の適用で、のれん代の計上が避けられなくなる。
☆従来のように簿価のまま資産や負債を合算する会計処理を採用するには非常に 厳しい条件を満たさなければならない。(実質的にのれん代を計上する方式し
か認 められなくなる)
☆買われる企業の資産・負債を時価評価して純資産を算出し、買収金額との差額を のれん代として計上し償却していかなければならない。
☆企業買収のどさくさにまぎれて保有資産の含み損益を処理する恣意的な会計処 理ができなくなる。
☆これまでのように子会社同士を合併させ、資産を評価替えし、親会社の連結期間 損益を表面化させないで含み損を消す処理はできなくなる。
〔のれん代〕
企業の買収金額から時価評価して算出し直した被買収企業の純資産額を差し引いた金額を示す。被買収企業の利益成長力やブランド力など、決算書の数値に表
れない価値に相当する。企業結合会計基準ではのれん代を、20年以内に均等償却すると定めている。償却費は一般に販管費に計上するため営業減益要因とな
る。
米国の会計基準ではのれん代を償却しない代わりに、のれん代の価値を定期的に評価し直し、大幅に下落したら即時に減損処理する。日米で肥料処理に大きな
違いがある。
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