〇を増やすことよりも×を減らすこと

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   会社を作りたてのころ、私は、新しい価値観をどんどん作ってやろうと思っていました。自分はすごいと思っていました。その基準は、自分の調子の良いときで した。新しい価値観をつくるという考え方は今でも変わっていませんが、自分というものを見失うことがどんなに危険かを、経営をしていて気づきました。
   調子の良いときに、自分の思うことが出来るのは当たり前の話です。しかし、人間は、調子の良いときと悪いときとどちらが多いでしょうか? 部下に、 調子のよさだけを求めていないでしょうか?

 何かの目標を定めて、その目標を達成するための行動具体策を決めます。ここまでは、たいていの企業は実施するでしょう。しかし、その行動具体策が きちんとできれば世話がないのです(行動具体策を決めることが出来ない人もたくさんいますが)。もちろん調子の良いときには出来るでしょう。でも、調子の 良いときの比率が30%だとすると、実施率は30%となってしまいます。目標の達成率は、調子の良いときは悪いときの倍くらい効果があがりますから、 30~70%となるでしょう。これが大方の人間です。

 自分を良く見つめ、調子の悪いときに起こしがちなダメな自分の行動を知っていれば、それをださずに、調子の良いときに近づけることが出来ます。そ うすると、悪い自分が出ないので、目標に大きく近づくことが出来ます。

 だいたい企業で(特に小売・サービス業で)決めたことを実行するとだいたい実施率30%です。その実施率で実績が確保できないからと言って、無理 やり数数字を作らせたり、会議で追求したりしても、結果はまったく変わりませんし、人も会社も成長しません。そして、あせって、新しいことをやろうとしま す。

 この30%しかできない現実を見つめ、×を出さないようにして70%〇を出すマネジメントをすると、驚くほど実績は成長していきます。うれしいこ とに、人も職場も成長します。人間の潜在能力が95%以上であることを考えてもこれは正しいのでしょう。
 きめた、簡単なこともちゃんとできないのに、新しいことを実施しようとしてもうまくいきっこありません。つまり、〇を増やす作業よりも×を減らす作業が 大切なのです。好例店に視察に行って、「どんなことをやるとうまくいくのですか?」と聞くと、たいてい「特に変わったことはやっていないんですけど」と戸 惑いながら答えていただくケースがほとんどです。実際、お店のオペレーションを見ても、特に変わったことはやっていません。確実にひとつひとつが高いレベ ルで行われているだけです
 
 難しいことや、やらなければならないことからやるのではなく、できることからしっかりと確実に行うことが企業力を高める第一ポイントといえるでしょう。


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このページは、宝徳 健が2006年2月 7日 02:10に書いたブログ記事です。

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