作業内容とレベルの違い

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  ちょっとブログさぼりすぎ。これじゃ信用されないよね。経営者として失格!!!とはいいながら、勝手に気を取り直して今日のテーマ。この前、あるクライア ントのところに言って、会議をしていたら、こんなよい言葉がでました。「サービスとは作業内容を伝えるのではなく、レベルを伝えるのだ」。詳細は、後ほど 述べますが、いつも考えていることではあったのですが、こんなに明確な言葉で伝えられると、スッキリします。何度も言いますが、いつもお客様に鍛えられて いるのがコンサルタントですね。
  こんな話しからこのテーマが出てきました「トイレの掃除が最近おざなりになっている」。そこで、トイレの掃除をどうしようかという話になったとき に、「掃除をどうしようこうしようではなく、どんなレベルの掃除をしようか考えてくれ」という言葉が社長さんからありました。「米国のディズニーランドで は、労働者の質がバラバラなので、掃除の内容だけを伝えると、まったく掃除がうまくいかない。自分の居間で寝転べるくらいきれいにしてくれ、と伝えるとみ んなが掃除のレベルがわかってきれいにし始める」ということをおっしゃいました。確かにその通りです。「そうじをしろ」「こうやってやれ」と伝える人はた くさんいますが、「どんな状態に」というレベルを伝える人はあまりいません。
 この話を聞いて、思い出した事例がありますので、紹介しておきます。

①モスバーガー
 もう何年前になるのでしょうか? モスバーガーの女課長さんとお会いしたときに、「ハンバーガーが食べられるくらいきれいなトイレにすることが自分の仕 事」ということをうかがいました。モスバーガーは確かに、きれいです。業務終了後3時間くらいかけて掃除をするそうなのですが、その思想が入っているので しょうね。モスがトイレをきれいにしようとしたきっかけは、創業者の故桜田会長であるということをお聞きしたことがあります。会長は、朝必ず会社で用を足 されるのだそうですが、ある日突然終わった後、便器を磨きはじめたそうです。他の社員は、「また会長がおかしなことを始めた」といぶかったそうですが、来 る日も来る日も会長は便器の掃除をされて、とうとう、社員や、訪れるフランチャイジーもはじめていったそうです。
 イエローハットでも同じような話を聞いたことがあります。こんな話を聴くたびに、自分はまだまだだなって思います。

②ガソリンスタンド
 ある非常に田舎の地域で、その地域の平均売上の10倍以上販売しているガソリンスタンドがありました。全国で見てもかなりのものです。低価格で販売して いるかなと思って視察に行ったら、ぜんぜん、そんなことありません。ふと見ると、素晴らしい接客をしている女性がいました(恐らく主婦)。マネジャーに 「あの方は入社されて何年になりますか?」と聞いたところ「1週間です」という答えでした。「えっ???」。
 「どんな教育をしていらっしゃるのですか?」 「一度に教えても覚えられないので、この1週間は、「もう一度来てくださいと心の中で念じながら、窓を拭きなさい」とだけ教えました」「・・・・・。」
 素晴らしいですね。ガソリンスタンドの接客には、10数個の「やらなければならないこと」があります。でも、ほとんどのガソリンスタンドがそれを、不十 分なレベルで行っています。言えば、やらなければならない作業をしてしまっています。誰も感動しません。 であれば、2~3個に絞って、最高のレベルにし た方が「接客サービス」になるのかもしれません。作業よりも。

 武士道の世界に「少数精鋭」という言葉があります。日本は昔貧しかったので、欲しいものが手に入りませんでした。だから、今あるものを最高レベル にまで高めることで、少ないことでも強い自分が生まれるという思想が生まれました。 私たちが、ひとつひとつの仕事に着手するときに、こんな高いレベルで しているでしょうか。自分自身を振り返ってみても反省しきりです。

 内容ではなくレベルを追求する! 素晴らしいですね。 日本人はこんなことを実行できる民族だったんですね。昔の人ってすごい。それと、それを実践している、今の人たちも。日々気をつけたいこととして、クライアントから学びました。

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このページは、宝徳 健が2006年3月20日 09:35に書いたブログ記事です。

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