人生が順調ではなくて、必死になってもがいているとき、ふと、素晴らしい人や書物に出会うときがあります。その時に考えることは、「どうして今まで、この
人と、この本と出合わなかったんだろう」と、それまでの人生に損をしていたと感じます。しかし、少し順調になってくると、その時の努力を忘れて、出会いを
求めなくなります。そして、順調ではない時期に突入していく。こんなことの繰り返しを行っているようでなりません。
損をした気分になると申し上げましたが、その原因はすべて自分にあります。素晴らしい人、素晴らしい書物は、決してむこうからやってきてくれませ
ん。また、自分のレベルに合わせてくれません。よい人生を送りたければ、自分からそこに登っていくことが求められます。至極単純なことなのですが、ちょっ
と順調になるとこのことをすぐに忘れてしまう、ぼんくら経営者です。
自分よりも素晴らしい人物と出会いたければ、自分がその人にアプローチするしかありません。手紙を書く、損得なしにお付き合いさせていただく。
素晴らしい書物に出会いたければ、情報を収集するしかありません。そして、知ったらすぐに実行し、たいていの場合成功しませんから、自分の未熟さを検証していく。
順調なときと、そうでないとき、どちらがほんとに人生にとっていいのでしょうか?苦しみを乗り越える努力をしているときは、必ずなにかと出会いま す。苦労していても出会いません。苦労は、気持ちを落とします。苦しさを乗り越える努力をしているときでないと出会いがなかったような気がします。でも、 順調なときは、もっと出会わない。
私が以前に在籍していた会社、出光興産の創業者、故出光佐三翁の著書を見ていると、会社の業績が悪くなると喜びます「人が育つ」。業績がよくなると心配します「人が育たないのではないか」と。こんな境地にどうしたらなれるのだろう。
ようやく、会社の業績が少しだけよくなった自分に対する戒めを書いてみました。もっと、自分を鍛えなきゃ。
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