ニニギノミコトの二人の息子を火遠理命(ヒホリノミコト:山幸彦 弟)、火照命(ホデリノミコト:海幸彦 兄) と言います。ここでは、山彦、海彦と呼 んでいきます。
さあ、いよいよ山彦・海彦の物語です。
ところが、山彦は釣りをしているときに、この釣り針を亡くしてしまったのです。
ヤ「お兄ちゃん、ごめん、釣り針なくしてもうた」(急に関西弁、なんかあってるので)。
ウ「お前、何言うてんねん。ぜったいに返すていうたやろ! はよ、返さんかい!」
ヤ「そんなかて、なくしたからないねんもん。そしてら弁償するわ」と言って、腰の十拳の剣(とつかのつるぎ)を抜いて、500本の釣り針をつくりました。
ウ「わしが言うてんのは、その釣り針やない。お前がなくした、あの釣り針じゃ!海んなか行って、はよ、とってこんかい!」
お詫びに100本の釣り針を山彦はつくりますが、それでも許しくれません。
ヤ「そんなん、むちゃやがな」
どうしても許してもらええない山彦は、トボトボと海岸を歩いていました。すると、塩を満ち干をつかさどる神様が、
「天の子が、なんでそんなん、しょんぼりしてはんの?」と聞いてきました。山彦が事情を話すと、籠の船をつくってくれて、「これに乗って、海の中に 行きなさい。そうするとワタツミ(海の神)の娘がやってきて、きっと相談にのってくれるでしょう」
山彦がその通りにすると、娘がやってきました(ここからは長いのでちょっと割愛)。この娘は、トヨタマビメの召使でした。その娘を通して山彦に会っ た、トヨタマビメは、山彦に一目ぼれ(こればっか)してしまいました。
古代では、男と女が見つめあうことを「目合い(まぐわい)」と言って、男に見詰められて、女が目をそらさずにいると「いつでもOK」ということだっ たそうです。いいですね。
さてさて、今日はこれまで、ここから、山彦の海彦に対する反撃が始まります。このころの天皇家は、前にも書きましたが、末っ子継承だったみたい で、弟があとを継いでいます。 また、陸軍を支配していた山彦が海軍を手に入れ、支配権を強めていったと考えられています。
さらに、いろいろな説はありますが、この海彦山彦の舞台は、四国の四万十川だとも言われています。もしそうだったら素敵ですね。
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