経営者必見!六韜三略:文韜

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  久しぶりの六韜三略です。中国の歴史は知れば知るほど面白い。特に戦国時代や三国志に出てくる英傑たちの生きる知恵は、現代でも脈々と行き続けています。六韜三略などは、殷から周に代わる時代です。この数千年前の知恵者の言葉を是非楽しんでください。
 今日は文韜 国務編 つまり、周の文王が太公望に政治の要諦をたずねるシーンです。
 太公望によれば「民を愛するのみ」これが政治の要諦なのだといいます。荀子という古典にも、「民を愛する者はつよく、民を愛せざるものは弱し」と語って います。ただし、愛するというこのは、必ずしも甘やかすことを意味しません。荘子は、「民を愛するは、民を害するの始めなり」と述べています。愛するを甘 やかすと混同してしまわないことにも留意する必要があるようです。
 経営にも十分通じますね。
  文王が太公望に尋ねました。
文:「国を治めるにあたって、もっとも大切なことは何か、教えてほしい。君主は人民から尊敬され、人民はそれぞれに生活を楽しむ、こんな政治を行いたいと思うのだが、どうすればよいか」
太「人民を愛すること、これに尽きます」
文「人民を愛するとは、どういうことか」
太「人民に有利なようにとりはからい、損害を与えるようなことは避ける。生業が成り立つように配慮し、妨害するようなことはしない。生かすことを心がけ て、殺すことはしない。与えることを心がけて、収奪することはしない。また、楽しく暮らせるように配慮し、苦しめるようなことはしない。喜んで暮らせるよ うにしてやり、怒らせるようなことはしない。これでございます。」
文「もう少し詳しく説明してもらえまいか」
太「有利なようにとりはからってやるためには、働き口を保証してやること。生業が成り立つようにしてやるためには、農繁期に使役に駆り出さないこと。生か してやるためには、罪のない者を殺さないこと。与えてやるためには、重い税金を課さないこと。楽しく暮らせるようにしてやるためには、王宮の造営に金をか けないこと。喜んで暮らせるようにしてやるためには、役人が清廉で人民の生活にわずらわしい干渉をしないこと。これでございます。
 逆に言いますと、損害を与えるとは、働き口を奪ってしまうこと。生業を妨害するとは、農繁期に使役に駆り出すこと。殺すとは、罪のないものを罰するこ と。奪うとは、税金を重くすること。苦しめるとは、王宮に金をかけて人民から搾り取ること。怒らせるとは、役人が金を要求して人民の生活をかき乱すこと。 これを言います。
 したがって、うまく国を治めている君主は、父母が子を愛し、兄が弟を愛するように、人民に望みます。人民が飢えや寒さにふるえていれば心を痛め、苦労し ているのをみれば心を悲しませるのです。また、賞罰を加えるときには、自分に加えるように、税金を取り立てるときには自分から取り立てるように、喜びも痛 みも人民と共にするのです。
 これがすなわち、人民を愛するということにほかなりません」

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このページは、宝徳 健が2006年12月25日 10:37に書いたブログ記事です。

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