作戦編にはいります。「日に千金を費やし、然る後、十万の師、挙ぐ」(毎日のように大金をつぎ込んで、はじめて戦争が始まる)
戦争には、たくさんの費用がかかります。むやみに戦争すれば、国が貧しくなり、弱まります。そうなるとくにはうずれ滅びてしまいます。戦いを始めるのなら、そのへんをよく考えないといけませんよ。という意味です。
1.兵を鈍(にぶ)らせ、鋭を挫(くじ)き、力を屈し、財をつくす
戦争は兵士を疲れさせ、職を下がらせ、戦力を弱めさせ、財産を使い尽くさせる。そうすると、相手は弱くなることから、攻めやすい。また、自分でこれをやると敵にスキをつくってしまう。、
2.諸侯、其の弊に乗じ、起つ。知者ありと雖(いえど)も、其の後を善くするにあたわず。
こちらに余話身軽とすれば、それに乗じて各国が攻めてくる。こうなると、どんな知恵者がいても、どうしようもできない。ふだんから体力を養っておくということ。
3.兵は拙速を聞くも、未だこれを巧みにして、久しくこれを観ざるなり。
戦争は「下手だけど、すばやく終わらせた」という話は聞いたことはありが、「うまくやって長引かせた」という例はみたことがない。めんどうなことは急い
で終わらせよということですね。日露戦争は、どうやって戦争を終結させようかとリーダーたちは考えました。大東亜戦争は、玉砕覚悟でやりました。
4.用を国に取り、糧(かて)を敵に因(よ)る。
兵器は国から持っていく。食料は敵国から奪い取る。
何事も必要最小限を心がけるという意味です。
5.国の師に貧しきは、遠く輸せばなり。遠く輸せば、百姓(ひゃくせい、貧し。
遠征すると国が貧しくなるのは、国内から物資を運び出すからだ。そうすれば、国内で物資が不足して、国民が貧しくなる。
きちんと蓄えをつくりなさいということです。
6.敵を殺す葉怒りなり、敵の利を取るは貨なり。
敵を殺そうとして、敵に立ち向かっていくのは怒っているからだ。敵から奪おうとして敵に立ち向かっていくのは設けたいからだ。
無理やりやる気を引き出す方法です。
戦争に精通している将軍こそが、国民の生命を守り、国家の安全を保つことができる。
危機管理に精通することが大切です。平和だからと言って、戦争から目を向けるのはよくないという戒めです。病気について知っていて、はじめて病気をなくせることと同じです。
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