無担保コール翌日物金利

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  昨日、日本銀行が、無担保コール翌日物金利を0.25%から0.5%に引き上げる決定を金融政策決定会合で行いました。利上げは、昨年7月にゼロ金利政策を解除して以来7ヶ月ぶりです。
 昔は、公定歩合というものが、金利に大きな影響を与えていましたが、金融自由化以来、公定歩合は、アナウンス効果(日銀の金利政策の意志を感じ取る)の意味合いが強くなっています。
 新聞紙上で詳しく書いてありますので、ちょっと別の観点から解説を。
  一般庶民にはピンときませんよね。金融市場には、私たちが参加できるオープン市場と、銀行同士がお金のやりとりをするインターバンク市場というもの があります。インターバンク市場において、金融機関間のお金の過不足をやりとりします。金融機関の最大商品は「決済機能」です。決済をする際に、超短期的 にお金があまったり、不足したりするので、金融機関同士がお金の調整をする市場です。担保なし(無担保)で、翌日に返す取引なので、このような名称がつい ています。

 結果的には、これが金融機関のコストにつながりますから、無担保コール翌日物金利が上昇すれば、オープン市場における長期金利や預金金利、貸し出 し金利にも影響がでます。金利上昇圧力がかかるわけですね。でも、まだ、日本の経済は、本格的な景気回復にはありません。だから、今回、日銀は、同時に 「買いオペレーション」を実施しました。買いオペレーションとは、市場にある国債を日銀が買うことです。日銀が国債を買いますから、日銀が持っているお金 が市場に出ます。つまり、お金がたくさん市場に出るので、お金の価値が下がり、金利があがりにくくなるという構図です。

 参議院選挙を控えて、政府は絶対に金利は上げたくありません(景気が下降するから)。でも、金利はある程度高くないと、海外から、日本の市場に金融投資をしようという意欲が湧きません。お金が日本から逃げて生きます。

 民間企業がもう少し力強さをつけると、政府・日銀ももっと柔軟な金融政策をとることが可能になります。国に頼るだけではなく、私たち自身ががんばらないとね。
 一生懸命事業をしていて、稼いだお金を金利でとられることは、経営者としてとてもつらいことで(す税金が一番つらいが)。でも、一国の政策を考えると、バブル崩壊後の不景気における異常な金利体系であったことも理解することが大切です。
 また、消費に影響が出ます。貯蓄から得られる金利がほとんどありませんから、今の日本を支えている高齢者の消費が活発になりません。

 消費型の経済にするのか(金利が高い方が有利)、生産型の経済にするのか(金利が低い方が企業は有利)、国民ひとりひとりの意思決定が必要です。

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このページは、宝徳 健が2007年2月22日 06:54に書いたブログ記事です。

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