1.先に戦地に処(お)りて敵を待つ者は佚(いつ)なり
先に戦地について、待ち構えるほうが楽だ。
何事も早目を心がけよということです。よく、職場に始業ぎりぎりにくる人たちがいますが、こういうひとたちは、例外なく、仕事ができません。早め早めに準備をということです。
2.善く戦う者は、人を致して、人に致されず
戦うのがうまいひとは、敵をコントロールして、敵にコントロールされない。
相手をその気にさせて、自分に都合よく動かします。強権発動して強く言っても人は動かず、敵をつくるということなのでしょう。
3.能(よ)く、敵人をして、自ら至らしむる者は、これを利するなり、能く、敵人をして至るを得ざらしむる者は、これを害するなり。
利益になると思わせれば、そこに敵が向かってくる。損害になると思わせれば、そこから敵が去っていく。人間は、利害に弱いので、得したい、損したくないという真理につけこめということです。
4.佚(いつ)は能(よ)くこれを労し、飽は能くこれを餓し、安は能くこれを動かす
気楽なら、疲れさせる、満腹なら、飢えさせる、余裕なら、わずらわせる。
敵よりも優位になる3つのポイントです。
①敵よりも気楽になる(敵を疲れさせる)
②敵よりも満腹になる(敵を飢えさせる)
③敵よりも余裕になる(敵をあせらせる)
5.其の趨(おもむ)かざるところに出で、その意(おも)わざるところに趨く
敵の通らないところに出て、敵の思いもよらないところに行く。
みんなと同じ道を行くなら、楽だけど、たいした成功には結びつきません。みんなと違う道を行くと、困難はたくさんあるけど、大きな成功に結びつきます。
6.進んで禦(ふせ)ぐべからざるは、その虚を衝くなり。退きて追うべからざるは、速(すみ)やかにして及ぶべからざるなり。
進軍したときに、敵が防げないのは、敵のスキをつくからだ。退却したとき、敵が追いつけないのは、すばやいからだ。機敏に動けということです。成功する
人は「機をみるに敏」です。チャンスとみれば、誰も気づかないうちにつかみとります。ピンチとみれば、だれよりも早く手を引きます。
7.我の戦わんと欲すれば、敵の塁を高くし、溝を深くすといえども、我と戦わざるを得ざる者は、その必ず救うこところを攻めるなり。
戦いたいとき、いくら敵が守りを固めて戦おうとしないとしても、出て戦うしかないのは、敵の急所をつくからだ。相手の急所を攻めよ。問題点の急所をよく把握してから対処せよということです。
コメントする