ナチュラルローソンは、少しでも自然食に近いもの、つくりたてのもの、をコンセプトにしていると見受けられました。品揃えが新鮮でとてもいい。商品戦略においても、他のコンビニとの差別化が図れています。カウンターの横には、焼きたてパンがありました。
あるお弁当に面白い表示がありました。「あたためないで召し上がりください」
今回、ナチュラルローソンを利用して、セブンイレブンとはまったく違う価値観を出していることを知りました。おそらく私は使い分けるでしょう。市場競争 ポジションで、圧倒的な1位になれない人は、業種的発想をしていては決して勝てません。上記のように業種的発想をしていると、市場の中の、チャンピオン と、同質競争を強いられます。勝てるわけがありません。
そこで、業態発想が出てきます。業種とは「何を売っているか」です。業態とは、「どうやって売っているか」です。わかりやすくいうと、モスバーガーとマ クドナルド。モスは、HDC(ホスピタリティ・デリシャス・クレンリネス)、または、その名前からみられるようにMOS(マウンテン・オーシャン・サン) と自然を受け入れる価値観を発信しています。マクドは、タイムセービング(時間節約)です。モスは、お客様を待たせます。これは、他のファーストフードが 実現できない価値観。その代わり、自然のものをおいしく、きれいなところで気持ちよく食べさせてくれます。マクドのコメントは避けますが、だから、マクド が安売りをしても、モスは値段の高いハンバーガーを開発しそして成り立っています。業態化していないハンバーガーファーストフードは、マクドの安売り競争 に打撃を受けます。もし、モスがなかったら、私たちは、ハンバーガーを・・・・。やめておきましょう。
ガソリンスタンド業界もそうです。元売が流通の支配競争をはじめ、商売というよりも効率化を優先した、ネットワークを無視した、自社のみの競争力
構築を急いでいます。自分たちの、「流通」に当てはまらない販売事業者を、言葉ではっきり言わないけれども、追い詰めようとしています。しかし、その元売
の流通の枠組みで、「小売業」「サービス業」を行うと、とてもじゃないけれど、将来の事業像は描けません。力の弱い販売事業者は、そのジレンマに悩みに悩
んでいますが、元売は知らんふりです。
系列マークを挙げさせている責任などみじんも感じなくなってきています。かろうじて1~2社がまだ、責任の「なごり」を見せているだけです。
でも、そんなことに、ぶつぶつ言っている場合じゃないんです。石油流通という圧倒的なパワーにはまだ、勝てませんが、流通の枠組みから脱却して、独自の
事業の価値観を構築していくしかないのです。そのためには、流通に支配されやすい「小売業」から「サービス業」への業態転換が求められます。
難しいことではないのです「売るものもやることも変えずに、やり方を変える」。これが業態化です。ガソリンスタンドには、100種類を超える、 サービス商品が存在しています。なのに、お客様はほとんどそんな事実を知りません。売っているほうも、よく認識していません。サービス業とは「お客様が自 分では出来ないこと、自分で行うのが面倒なことを、高いレベルで代わってやって差し上げる」そして、「幸せにする」業態です。だから、サービス業では、お 客様がお帰りになられるときに、「ありがとう」と言ってくださいます。そして、それを実現できたガソリンスタンドが、サービスステーション(SS)へと業 態転換していきます。
サービス業なので、どこよりも高い接客力が求められます。その後、商品力・告知力を整備していきます。
しかしながら、何よりも難しいのが、働く人特にマネジャーのパラダイムシフトです。これまで、流通の枠組みで「小売業」を行ってきましたから、上記の考え方になかなか変わりません。告知をして者が売れるのかという、およそ前近代的な会話がなされるときもあります。
でも、人。業態転換には人が最も大切です。この人を鍛え、この業界が夢を持てるような業態づくり(経営モデルづくり)をすることが私の仕事です。 クライアントさんとの共同作業です。まだまだ、暗中模索ですが、絶対に構築します。元売の流通がいかに強化されても、立派に成長できるビジネスモデルを。
ナチュラルローソンに敬意を表し、今後を見守ります。あの熾烈なコンビニ業界で、このような業態を開発するには、まず、社外よりも社内に無数の敵
がいたことと思われます。いや、まだ、いることでしょう。ナチュラルローソンが失敗することを願っている社内の敵に負けないようにしていただきたい。がん
ば。
既存店舗が頭打ちになってきたコンビニ業界です。あのような挑戦をしないと、業界自体がくずれてくるでしょう。
さあ、私たちも、負けずにやらないと。困難は知恵をつくる。主体変容、自分から変わる。
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