本の言葉と自分の生き方を検証する

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  稲森和夫氏の「生き方」。p64です。その前の、p62の「もうダメだ、無理だというのは、通過点にすぎない。すべての力を尽くして限界まで粘れば、絶対に成功するのだ」という言葉にも心が動かされます。
  今回は、「目はいくら空の高いところを見ていても、足は地面を踏むことしかできません。夢や望みはいかに高くても、現実は来る日も来る日も、地味で単純な仕事をこなすので精一杯でした」という言葉を紹介します。
 コンサルをしていると、「先生、そんな将来のことばかりではなく、今のことを何とかしてください」と言われることが多くあります。「えっ?」と思います。将来のことを考えて、今できることを提案しているのですが、たいていそういう時のリクエストは、何か魔法の杖のような「努力しなくても収益が向上する方法」が求められています。

 目標(夢)と現実には、かなりの落差があります。でも、このブログでも述べているように、毎日毎日決めたことをコツコツとやっていけない人間には、将来の成功はありません。もちろん、今の成功も。なぜなら、将来の夢や目標は、「今の積み重ね」だからです。
 過去に成功体験を持った人は、これができなくなる危険に陥ります。その過去の成功体験の時には、コツコツと自分を鍛えて成功したのでしょう。しかし、その快感が故に、すぐに成功する「手法」を求めてしまいます。セブンイレブン・ジャパンの創始者、鈴木敏文氏は「企業の成長を阻害する最大の要因は、過去の成功体験である。社長(当時)としての私の一番重要な仕事は、過去の成功体験をぶっ潰すことである」とおっしゃっています。
 「生き方」の65p。
 「こんなことを毎日繰り返していて、世界一になるのはいったい、いつの日のことか」
 夢と現実の大きな落差に打ちのめされることもしばしばありました。けれども、結局のところ、人生とは、その日「今日一日」の積み重ね、「いま」の連続にほかなりません。

 とあります。禅の言葉にも「今、ここ」とあります。今の成果をほしがるけれど、今の大切さを実行していない。人間って難しいですね。

 おっと、違う違う。コンサルで出会った人のことを言うんじゃない。自分のこと。自分の行き方の検証だ。会社を創業したばかりの頃、今の収益がほしくてほしくてたまりませんでした。そのくせ、コンサルとしての自分を鍛えるとか人間性を向上させるとかはあまり考えず、とにかく資金の苦しさから、お金のことばかり考えていました。変な表現かもしれませんが、とってはいけない仕事もとりました。結果として、2年・3年たって、その仕事の始末に追われてしまいました。売上の大切さを知ると同時に、パッチあての恐さを知りました。

 今も、まだまだ、ヨチヨチ歩き経営者。ルーティンが出来るようになったからといって「今、ここ」「今日一日」をほんとうに真剣に積み重ねているかというと、疑問です。なぜか、飯が食っていけるから。食っていけなくなったらイヤですが、自ら進んで、自分を追い込み、「今日一日」を生きていける人間になります。今年はその修行です。仲間と一緒に。

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このページは、宝徳 健が2007年3月22日 02:42に書いたブログ記事です。

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