【本文】
物事をなすには、自ら燃えることができる「自然性」の人間でなくてはなりません。・・・
ものには、三つのタイプがあります。
①火を近づけると燃え上がる可燃性のもの
②火を近づけても燃えない不燃性のもの
③自分で勝手に燃え上がる自然性のもの
人間のタイプも同じで、周囲から何もいわれなくても、自らカッカと燃え上がる人間がいる一方で、まわりからエネルギーを与えられても、ニヒルというかクールというか、さめきった態度を崩さず、少しも燃え上がらない不燃性の人間もいます。能力はもっているのに、熱意や情熱に乏しいといってもいいでしょう。こういうタイプはせっかくの能力を活かせずに終わることが多いものです。
組織的に見ても、不燃性の人間は好ましいものではありません。自分だけが氷みたいに冷たいだけならともかく、ときにその冷たさが周囲の熱まで奪ってしまうことがあるからです。ですから、私は、よく部下に言ったものです。
「不燃性の人間は、会社にいてもらわなくてけっこうだ。キミたちは、自らも得る自然性の人間であってほしい。少なくとも、燃えている人間が近づけば、いっしょに燃え上がってくれる可燃性の人間であってもらいたい―」
・・・・・・(中略)・・・・・・
では、どうしたら自然性の人間になれるのでしょうか。自ら燃える体質を獲得するにはどうしたらいいか。その最大にして最良の方法は「仕事を好きになる」ことです。私はそのことを次のように説いています。
「仕事をやり遂げるためにはたいへんなエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってくるのです。自分が燃える一番良い方法は、仕事を好きになることです。どんな仕事があっても、それに全力で打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲が生まれてきます。その繰り返しの中で、さらに仕事が好きになります。そうすれば、どんな努力も苦にならなくなり、すばらしい成果を上げることができるのです」
・・・・・(中略)・・・・・
私は、仕事仕事でろくに家にもいないので、家内などは、「おたくのご主人はいつ帰ってこられるのか」と近所の方から心配されたり、田舎の両親からも「そんなに働いていたら体を壊してしまいますよ」という忠告の手紙が届いたことがありました。
しかし、当の本人は案外平気で、好きでやっていることだから、つらくもなければ、さほど疲れも感じていませんでした。
実際にそこまで仕事を好きにならなくては、大きな成果を残すことはできないのです。どんな分野でも、成功する人というのは自分のやっていることにほれている人です。仕事をとことん好きになれ―それが仕事を通して、人生を豊かなものにしていく唯一の方法といえるのです。
【所感】
仕事は好きです。でも、期日目標が期日通りに終わらなかったりするのは、まだまだ、エネルギーが足りない証拠です。達成感が遅れると、次の仕事のモチベーションも落ちてしまいます。ルーティンと、期日目標をきっちり達成して、早い達成感を味わえるようにします。
これも、何度も書きましたが、勤めているとき、創業者の言葉に「働いて働いて働きぬけ」というものがありました。20代だった私は、これに反発しました。世の中を知らない若造が、偉大なる創業者にさからってもしかたがないのですが。遊びたかったんですね~。遊びなんて、あとからいくらでもできるのに。それに、どんな遊びよりも、仕事より面白い遊びなんてありえない。遊びでは体を壊すことがあるかもしれませんが、仕事では絶対に体を壊さない。
ずいぶん損した気分です。十年後に同じ思いをしないように、懸命に働きます。
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