本の言葉と自分の生き方を検証する

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   伊與田覺氏の『「人に長たる者」の人間学』です。何度も申し上げますが、経営者必読の本です。今日も、第二講の続きです。第二講の後半部分です。第二講は「小学」、つまり「誰でもがいつでもどこでもわきまえておく基本的なことを学んでいく」ことです。その小学を、第二講は、いろいろな観点で、切り込んでいっています。いつものように、感想を書いて、刷り込みたい本の中の文章を紹介します。
   最終的には「人間修行は脚下照顧からはじまる」です。履物を脱ぐときに、あとのことも考えてきちっと脱いでおくと、次に履くときに具合がいい。次の人が履くときに履きやすい。常に後のことを思って、行動する。これが人間らしいありかただということが「脚下照顧」です。「脚下」は「足元」、「照顧」とは「振り返ってみる」です。履物がちゃんと脱げているか振り返ってみよ、これが人間修行の第一歩だぞ、と教えてくれています。
 昨年秋口に、鍵山秀三郎氏の著書に出会いました。このことが書かれていました。年末、会社の忘年会に有馬温泉に行った時のことです。これからは、公共の場に行ったら、履物を揃えようと誓っていました。いまでもやっていますが。温泉で、食事をしに、大広間に行きました。仲居さんが、なおしたところは、ちゃんと揃っていますが、次々とお客さんが来ますので、全部は揃っていません。私が揃え始めました。仲居さんも、お客さんも「こいつアホちゃうか」というような目で見ていました。むちゃくちゃ恥ずかしい。次に風呂に行きました。大浴場のスリッパも脱ぎ散らかしています。揃え始めました。入浴が終わって涼んでいた何人かのおっちゃんが「こいつアホちゃうか」という目で見ていました。むちゃくちゃはずかしかった。お風呂からあがりました。また、スリッパがぐちゃぐちゃです・・・・・・・・。同じような状況でした。なんだかわかりませんが、今も続いています。めったに帰りませんが、家でも、履物を揃えています。子供がやるようになりました。
 鍵山秀三郎さんが「豊かな暮らしとはていねいに生きることだ」とおっしゃっていました。小学とはこのようなことなのかもしれませんね。

 また、非常に興味深いことも数々紹介されています。
 習慣の中には、応対もあります。「応」とは「応ずる」で、呼ばれたら「はい」と返事をすることが「応」だそうです。会議でよく「これでよろしいでしょうか?」と呼ばれているのに「シーン」としているのは、「応じて」いないのですね。
 その応対で大切なのが「禮」です。今の「礼」。「禮」は、元来神様に対するところから起こったそうです。「ネ」は、「示す」ということです。神に示す。だから、「社」には「ネ」がついています。

 そして「禮」には、「敬」「謝」「謙」「譲」「和」という精神があります。敬:慎む、体と心を引き締める。謝:感謝の気持ちを持つ。謙・譲:お互いに譲り合う。和:お互いに支えあうです。
 この5つの言葉を心のうちに秘めながら、頭を下げるのが禮です。今日から、そうしよっと。
 
 さらに、禮の中で、私たちが最も行っているものが挨拶です。挨拶で大切な三つとは、
「時の宜しきを得る」:挨拶をする前とした後に相手の目を見る
「言葉の宜しきを得る」:その時々にふさわしい言葉で挨拶をする
「事の宜しきを得る」:挨拶の内容が道理にかなっていることだそうです。無茶な言葉を使わない。
 
 応対・禮・挨拶・・・大切にしていきます。


【本の文章の紹介】
※掃除の大切さ
 そこで、習慣の具体的なものとしてニ、三考えてみたいと思います。 
 「小学」という書物の中に挙げられている習慣に「灑掃・洒掃(さいそう)」とうのがあります。サンズイがついていることからわかるおうに、水を注いだり雑巾で拭いたりすることを「灑・洒(さい)」といいます。「掃」はいうまでもなく「掃く」ということでありますから、「灑掃・洒掃」とは我々が使っている「掃除のことであるといっていいのであります。つまり、掃除の習慣をつけるということ、これが「小学」の習慣における非常に重要項目であるということです。
(中略)掃除をすることによって、段々人間を高い神の境地に近づけていく。掃除はこういう効用を持っておるんです。

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このページは、宝徳 健が2007年5月27日 05:22に書いたブログ記事です。

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