聖徳太子は、「和をもって尊しとなす」とおっしゃっています。これは、何の努力もせずに、自分のことしか考えてない人間が、まあ、そこそこ仲良くしなさいと言っているのではありません。この言葉は、まさに武士道の真髄である「背私向公(はいしこうこう)」を述べています。常日頃自分を鍛え上げて、いったん国家に有事があれば、身を投げ捨てて国家を守るということです。今の私たちには信じられない感覚です。国からしてもらうことばかり考え、国家に貢献することはまったくといってよいほど考えない。こんな感覚では国はつぶれるでしょう。教育勅語の精神は、国家のあり方の精神です。今、私たちにほんとうに大切な精神だと考えます。
今回は、「進デ公益ヲ広メ、世務ヲ開キ、常ニ国憲ヲ重ンジ、国法ニ遵ヒ」です。
今回は、「進デ公益ヲ広メ、世務ヲ開キ、常ニ国憲ヲ重ンジ、国法ニ遵ヒ」です。
前回は、「学問を修め、業を習い、智能を啓発し、特性を涵養し、国家に有用な人になりなさい」でした。
このことと同時に、さらに進んで、公衆の幸福を計り、世の中に必要な事業を興して、一般国民の生業を開きなさい、と表現されています。これは、前の「博愛、衆に及ぼし」の精神と一致します。
そして、国民として国家に尽くす徳は、国憲を重んじて、国法に遵うこととなります。国民の三徳とは、次回出てくる、「義勇公に奉ず」とこの「国憲を重んじる」「国法に遵う」の三つです。
【所感】
私たち事業家が事業を興すのは、この精神にあると言えます。ただし、三徳も忘れてはなりません。
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