親父の誕生日で傘寿と書きましたので、その他の年齢の呼び方を整理しておきます。
【還暦】
還暦の「還」は「かえる」「もどる」という意味で、「暦」は干支を意味します。干支は本来、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干と、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥からなる十二支を組み合わせたものをいい、60通りの組み合わせがあります。60年で干支が一回りして、生まれた年の干支に戻ることから、「還暦」というようになりました。現代では少なくなりましたが、還暦には、赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾など、近親者が赤い物を贈る風習が古くからあります。還暦に赤い物が贈られる由来は、赤ちゃんに還る(生まれた年の干支に還る)という意味と、赤は魔除けの色とされていたためです。
【緑寿】
緑寿は、他の長寿の祝いとは異なり、2002年9月に日本百貨店協会が提唱したものです。数え年の66歳は、高齢世代に区分されるが介護も必要なく、現役世代と高齢世代の節目となる年齢で、新たな社会活動への参画を促すスタートラインとして位置づけられました。また、21世紀が「環境の世紀」といわれることから「緑」をイメージし、66歳なので「緑緑寿」となるところを簡潔に「緑寿」としたものです。
【古希】
古希は、中国唐代の詩人『杜甫』の「曲江詩」の詩句にある「人生七十古来稀なり」に由来します。「稀」と「希」同義語で、70歳まで生きることは古来まれであるという長寿の祝いです。古く、長寿の祝いは40歳以上で10歳ごとにされていましたが、杜甫の詩の影響や、昔に比べ長生きになったことから「古希」のみが残ったと考えられます。「還暦」「喜寿」「米寿」などもあるが、これらは近世からの風習です。古希の祝い方は、基本的に還暦と同じですが、赤色が紫色になります。
【喜寿】
喜寿は、「喜の字の祝い」「喜の字の齢(よわい)」ともいいます。「喜」の字を草書体で書くと、「十七」の上に「七」が付いたような文字で「七十七」に見えることから、77歳を「喜寿」と呼ぶようになりました。喜寿の祝い方は、基本的に還暦と同じで、色は古希と同じく紫色の物となります。
【傘寿】
傘寿は、「傘」の略字が縦書きの「八十」に見えることから、80歳を呼ぶようになりました。傘寿の祝い方は、基本的に還暦と同じで、古希・喜寿と同じく紫色の物となります。
【半寿】
半寿は、「半」の字を分解すると「八十一」になることから、81歳や81歳の祝いをいうようになりました。半寿の祝い方は、基本的に還暦と同じで、色は米寿と同じく金茶の物となります。
また、81歳は、盤寿もあります。盤寿は、将棋盤の桝目に由来します。将棋盤の桝目の数は9×9の81個あることから、将棋の世界では「半寿」を「盤寿」というようになりました。そこから一般にも広まり、「半寿」ではなく「盤寿」が用いられることもあります。
【米寿】
米寿は、「米」の字を分解すると「八十八」となることから、88歳をいうようになりました。米寿の祝い方は、基本的に還暦と同じですが、色は赤色から金茶の物になります。
【卒寿】
卒寿は、「卒」の略字「卆」が「九十」に分解できることから、90歳をいうようになりました。卒寿の祝い方は、基本的に還暦と同じで、古希・喜寿・傘寿と同じく紫色の物となります。
【白寿】
白寿は、「百」の字の「一」を取ると「白」の字になることから、99歳をいうようになりました。白寿の祝い方は、基本的に還暦と同じですが、色は赤色ではなく白色の物になります。
【茶寿】
茶寿は、「茶」の字の草冠が二つの「十」に分解できることから「二十」、下が「八十八」に分解でき、「二十」と「八十八」を足すと「一〇八」になることから、108歳をいうようになりました。還暦など長寿の祝いには基調となる色が決まっていますが、百歳を超えた祝いには基調色がなく、茶寿だから茶色というわけでもありません。
【皇寿】
皇寿は、「皇」の字を「白」と「王」に分けられます。白は「白寿」と同じく「百」の字の「一」を取ると「白」の字になることから「九十九」。王は分解すると「十」と「二」にで「十二」となり、「白」と「王」を合計すると「111」になることから、111歳をいうようになりました。還暦など長寿の祝いには基調となる色が決まっていますが、百歳を超えた祝いには基調色がなく、皇寿にも基調色はありません。
また、111歳には、川寿があります。川寿は、「川」の字が「111」に見えることから、111歳をいうようになりました。川寿にも基調色はありません。主に「皇寿」の方が用いられます。
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