ひよこクラブで暗唱している「心構え試験 中級 論語編」です。五月号。五月は「里仁第四(りじんだいし) 「仁」ということ」です。
「里仁第四」は「仁に里(お)る」ではじまります。「仁」については、何度もご説明しました。リーダーに必要なことは、人と一体感を創ることで す。思いやり慈しみ、そして「敬」です。古典が最も大切にしているテーマです。
25. 子曰わく、仁に里(お)るを美と為す。択(えら)びて仁に処(おら)うんば、焉(いずく)んぞ知たるを得ん。
人を思いやり、世のため人のために生きられるのは美しいことだ。人を思いやり、世のため人のために生きなければ、どうして知ある人になることがで きるだろうか。
現代の日本人が忘れ去った「武士道」の精神です。「鍛え上げた己の力を他人のために使う」という一致団結の精神が武士道です。禅の言葉にも「忘自
利他」という言葉が有ります。自らを忘れ、他人の利益のために尽くすということです。これは、決して滅私奉公ではありません。「背私向公(はいしこうこ
う)」なのです。人生の意味は「他者のために尽くすこと、他者への関与、他社との共同」にあります。
戦後教育を受けてきた私たちは、ついこう考えます。「では、いったい個人はどうなるのか。自分の個性に傷がつくではないか。まず、自分の利益を守り、自
分を成長させることを学ぶべきだ」。これは、安倍政権が改正する前の教育基本法に則っています。旧教育基本法は「個人の人格形成」が主テーマだったからで
す。
もしこの精神が明治時代もそうであったならば、日本は、明治維新が成らず、諸外国の植民地になっていたでしょう。
教育勅語では、「一旦緩急アレバ、義勇公ニ奉じ、以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ。」とあります。「非常事態が発生したら、身命を捧げて国家の平和と安
全のために奉仕しなければなりません」という意味です。
今の日本の混乱は、不埒な日教組が誤った教育をしてしまい、誤った観念を国民に植え付けたからに他なりません。日本はほんとうに弱くなってしまいまし
た。個人とは国家あっての個人です。国が国民に何ができるか、を考える前に、国民がどういう国を創ろうと考え、国に対して何ができるか、ということが大切
です。企業現場においても、この「仁」が教育されないまま育ってきた人が入社することから、「一体感」を創出することがたいへん難しくなっています。人間
教育を行いましょう。
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