このシリーズは左下のカテゴリー「和歌」に格納されています。
源実朝の歌に以下のものがあります。
道のほとりに幼き童の母を尋ねていたく泣くを、そのあたりの人に尋ねしかば、父母なむ身まかりにしと答え侍りしを聞きてよめる
いとほしや 見るに涙も とどまらず 親もなき子の 母を尋ぬる
「いとほしや」という一句切れは、彼の孤児への哀憐の激情がほとばしったものです。「見るに涙もとどまらず」という素朴な表現に、緊張感が走りま
す。正岡子規は、「人丸(ひとまろ)ののちの歌よみは誰かあらん征夷大将軍みなもとの実朝」と言って、実朝の歌を絶賛し以下の歌を詠んでいます。
路に泣く みなし子をみて 君は詠めり 親もなきこの 母を訪ぬると
子規と実朝は七百年の時をへだてて通じ合ったのです。日本の文化のなんと素晴らしいことか。
では、今日の拙首です。恥ずかしいけど、毎日一首以上は作るといった自分への訓練です。
懸命に 心とからだを 使い切る 身障者の方 すばらしきかな
五体満足な私たちはなぜすぐにサボるのでしょうか。
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