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ついに最終回です。次は何を書こうかな~。
「国家に長として財用を務むる者は、必ず小人に自(よ)る。彼之を善くすと為して、小人をして国家を為(おさ)め使(し)むれば、災害竝(なら) び至る。善者有りと雖も、亦之を如何ともする無し。此れは国は利を以て利と為さず義を以て利となすと謂うなり」
今でいう、財務長官などを務める者は、かならず、小人である。小人とういのは、徳よりも才が長じている人です。事務的処理をしていくので、処理能力
が高いひとですね。でも、事務処理がよくできるからといって、そういう小人に高い地位を与えて国家を治めさせたら、国家はなかなか治まらない。立派な人が
その人の下の地位についても、これをどうすることもできない。だから、役に立つからといって、目先の利によって小人を用いると、大局的には、本当の利益に
はならない。結局正しい行為をすることが、利を為すのだ。という意味です。
企業でもそうですね。テキパキ仕事をこなす官僚的な人をつい、有能な人と間違えて、昇進させることがあります。便利なんですね。これはよくやるミ スです。
豊臣秀吉は、石田光成を用いました。光成は事務能力がとても高かったみたいです。でも、小人です。多くの武将から信頼されず、あのような結末にな りました。もし、関が原の戦いで、光成が勝っていたら、日本はふたたび戦国時代になっていたでしょう。秀吉は光成の地位を高めすぎました。
「義を以て利となす」。良い言葉です。では、長いシリーズを読んでいただいて感謝申し上げます。
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