このシリーズは左下のカテゴリー「和歌」に格納されています。
引き続き久坂玄瑞の歌を紹介します。
ふるさとの 花さへ見えずに 豊浦の 新防人(にいさきもり)と われは来にけり
この詞書として、「周防のくに富海より故郷へ送れる文の中に」とあります。文久三年四月、京都から馬関(下関)への旅中の歌です。玄瑞のふるさと萩
へは遠い距離ではないのに、国事多忙の身には、花を惜しむいとまさえありません。新防人とは、万葉人にちなんだ新しい時代の防人という意味でしょう。花を
愛する心と、国事に身を捧げる気持ちが見事に統一されています。この時、玄瑞二十五歳です。強烈ですね。
では、拙首を。
気のおける 仲間つどひて ひとときも 笑わぬときの なきぞたのしき
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