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昨日に引き続き、松吉正資さんという戦没学徒の方の歌です。和歌の通信教育で、私が、ソマリア沖に命を懸けていく海上自衛隊の歌をつくって送りま した。すると、批評が「戦争を美化するのはいけない。また、文芸とは批判から入るものだ」というものでした。私は確かに、和歌をつくる技術は不足していま す。でも、この批評には愕然としました。戦争を美化しているのではなく、私たちのために命を懸けて働いてくれている人たちに感動してなぜ悪いのでしょう か。また、文芸とは、批判でははく、写実です。こんな批評を正岡子規が聞いたら、罵倒するでしょう。情けない思いでした。
先の大戦を批判する人がいます。確かに、兵法からもはずれ、軍部の誤った作戦行動はありました。
でも、あのときの日本の状態がどのようなものであったか、今の日本人がどれほど知っているのでしょうか。そして、何より、私たちの数倍素晴らしい人間性を
持った人たちが、純粋に国を守るために死んでいったのです。そのことに唾する資格は今の日本人にはありません。正しい歴史を知り、目をそむけず、ちゃんと
正しいことを見る。そして、国家を愛する。今の日本人になによりも大切なことです。
さて、松吉さんの歌です。
友に
思へども 思へどもつきず かかる世に 生まれあひたる 我等がさだめは
うつそみの 力あはせて 一すぢの 道ふみゆくは かしこからずや
うつそみの 力のかぎり たたかひて 死にも死になむ 友としあれば
この頃の日本人は、正と死という死生観が強烈ですね。一点の曇りもない歌、すなわち一点の曇りもない生き方。私たち、今の日本人はなぜ退化してし まったのでしょう。
さて、拙首です。
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