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さて、「百里を行く者は九十を半ばとす」の続きです。ある重臣が秦の武王を諌めます。
「いま、大王にしても楚王にしてもおごりの色が見えます。私の見るところ、天下の情
勢は王たる者の心の持ち方にかかっています。したがいまして、諸国の攻撃を受けるのは、楚でなければ必ず秦ということになりましょう。
わが秦は魏を助けて楚の動きに備え、楚は韓を助けてわが秦の出方をうかがっていますが、この四カ国の軍事力は匹敵しているので、互いに攻撃をしかけるこ
とができません。ただし、同盟に加わっていない斉、宋がどちらにつくかによって情勢はがらりと変わります。たぶん、斉、宋を味方につけた方が、先に攻撃を
しかけるはずです。わが秦が先に、斉、宋をだきこめば、韓は消滅を免れません。韓が消滅すれば、楚は孤立して他国の攻撃にさらされます。逆もまた同じこ
と。もしこのような事態になれば、楚も秦も必ずや天下の笑いものとなりましょう」
これだけ言うのは勇気がいるでしょうね。
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