范雎(はんしょ)が秦の昭王に諫言したことを数日間紹介してきました。それに対し、昭王が質問をします。
「魏と親しくしたいが、なにしろ信頼のおけない国なので、困っている。どうしたもの か」
范雎は答えます。
「こちらから朝貢してはなりません。土地を与えて機嫌をとってもいけません。攻撃に限ります」
昭王は、魏の邢丘(けいきゅう)を攻めました。邢丘が陥落すると、魏は朝貢を請いました。范雎はさらに昭王に説きました。
「秦と韓の国境は、刺繍の糸のように交錯しています。秦から見れば、韓は木食虫、腹の病であります。ひとたび、変事が起これば、韓ほど厄介な国はあ りません。韓を味方につけておくべきです」
昭王「そうしたいと思うが、相手がきかなければどうする」
范雎「韓の榮陽(えいよう)を攻めれば、成皐(せいこう)への道は不通になります。太行山(たいこうざん)の道を分断すれば、上党の兵は南下できま せん。そのすきにどっと榮陽を攻める。相手は分断され、滅亡は必至です。韓はそれがわかっています。従わないはずはありません。韓が従えば、天下に覇を称 えることができます」
昭王「なるほど」
※「交」ということは、何もせずに仲良くすることではないのですね。こちらのプレゼンスを示して、相手を従わせることが「交」です。外交や防衛はこうあり
たいものです。日本も早く・・・。
コメントする