このシリーズは左下のカテゴリー「和歌」に格納されています。シリーズでご覧になりたい方はどう
ぞ。
今日から、大正天皇の御製を紹介します。私は、小学校の高学年の頃、学校の先生から大正天皇は、精神異常で、議会の開会式に勅語をお読みになられ
た後、詔書を丸めて望遠鏡のようにして、議員を見渡したと聞かされました。特に日教組バリバリの先生ですから、言い方にも悪意がありました。とても悲しく
なったのを覚えています。
昭和天皇が、皇太子の頃に摂政をやられたので、体は弱かったことは間違いないと思います。また、晩年、脳障害であったことも事実のようです。
でも、大正天皇の一番最後の御製が次のようなものなのです。
かみまつる わが白砂の そでの上に かつうすれゆく みあかしのかげ
「かつうすれゆく」の「かつ」は、「一方では。同時に」という意味です。 夜が明けて、あたりが薄暗くなると同時に神衣にうつる「みあかしのかげ」
が薄れるという意味なのでしょう。神前に正座して神に祈りをささげられる陛下の、神衣の袖の上に、暁の薄明かりがただようにつれて、袖の上に映る、みあか
しのかげもうすれる。厳粛な神殿での緊張感が感じられます。
このような素晴らしい歌を詠まれる方が、精神異常だとしたら、今の日本人は全員精神異常です。小学校高学年のときの、あの悪意に満ち教育をダメに していた先生から話を聞かされたときの、無念の感覚が、この御製を出会ったときに、一気に晴れました。よかった。ほんとうによかった。
では、拙首です。
歌を知り 歌に励んで 自らを 知りえたときに また歌を詠む
コメントする