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今日から、斉の国の話です。斉は、殷にとってかわった周の大参謀、太公望呂尚が与えられた国です。紀元前十一世紀以来、その子孫が君臨していましたが、気全然397年、重臣の田氏(でんし)がこれを奪って王となりました。
今日からのテーマは「妻の身びいき、客のおせじ」です。
斉の宰相、鄒忌(すうき)は上背のあるなかなかの美男子でした。あるとき、正装して鏡をのぞいてから、妻にたずねました。
「城北の徐公とどっちが男前だろう」
「いくら徐公でも、あなたにはかないません。
城北の徐公は斉の国きっての美男子です。鄒忌は信じかねました。今度は妾に聞いてみました。
「徐公とどっちが男前かな」
「もちろんあなたです」
翌日、客が訪れました。話の途中で聞いてみました。
「私と徐公では、どっちが男前でしょうか」
「あなたの方が上です」
次の日徐公がやってきました。鄒忌はつくづく相手を眺めて、やはり自分がかなわないと思いました。
「妻がああ言ったのは、身びいきからだ。妾は私が恐いからだ。客は私の歓心を得ようとするからだ」
さて、こんな話がどう発展するのでしょうか。つづく。
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