貞観政要

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 今回のテーマは「その長を用いずしてその短を見る」です。

  貞観十一年、担当の役所から凌敬(りょうけい)という役人がやたら人から金品を借り受けるなど素行がおさまらないとの上奏がありました。そこで、太宗は、腹心の魏徴(ぎちょう)らにいいました。

「とんでもない人間を推薦してくれたものよ」

 魏徴が答えました。

「わたくしどもが人物を推薦するさいには、いつもその人間の長所と短所を詳しく申し上げてきました。凌敬についても、長所は学識があってよく諫言す ること、短所は生活が派手で金銭をむさぼることだと申し上げたはずです。近ごろ、かれは頼まれて碑文をつくったり、「漢書」の購読を教えたりして、人から 謝礼を受け取っています。私どもの申し上げた長所はまだ発揮されておりません。陛下は彼の長所には目を向けず、短所だけを見て、推薦した私どもを詐欺師よ ばわりされます。お言葉ですが、承服できません」

太宗「わかった」

【所感:宝徳(これは私見です)参考の本とはまったく違う解説です。】
 人材に乏しい中小零細企業は、今いる人をうまく使っていくことが求められます。ここでよい例があります。三国志は魏、呉、蜀の三国が覇権を争った中国の 時代です。その中で、魏の曹操、蜀の劉備と比較して、迫力不足ですが、でも、彼は、とても人材活用が上手だったのです。彼の言葉は「その長ずる所を貴び、 その短なる所を忘る」です。

 部下が自分の持っている長所を発揮できるように仕向け、短所は忘れてやった、というのです。まあ、忘れはしないのでしょうけど。短所は短所としてしっかり把握しているのですが、それに目くじらを立てずに咎めないということです。呉にはキラ星のように人材が育ちました。

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このページは、宝徳 健が2009年8月31日 04:59に書いたブログ記事です。

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