どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 さて、敵将景連の首を獲ってきた妖犬八房です。
 義実(よしざね)は困ってしまいます。八房にどんなうまそうな餌をやっても見向きもせず、犬飼たちが遠くへ引いていけば、たけり狂い、鎖を引きちぎって、室内に暴れこみ、奥座敷で枕草子を読んでいる伏姫(ふせひめ)を押し倒します。

 さて、少し話が変わります。伏姫は子供のころ、役(えん)の行者化身の翁から水晶の数珠をもらいました。そこには「仁義礼智忠信孝悌(じんぎれいちちゅうしんこうてい)」と掘られていたのです。昔NHKで八犬伝の人形劇をやっていました。確か、夕方6時から。夕食前のひとときによく見ていました。これがまたNHKにしては、よく出来た内容でした。その番組の歌に「♪じんぎれいちちゅうしんこうてい♪」というフレーズがあり、今でも覚えています。聴きたい人は歌ってあげますね。えっ? 遠慮するって? はいはい。

 話を戻します。八房のその行為に怒った義実は、八房を槍で突き刺そうとします。すると、伏姫は父と犬との間に入って言いました。

「これもまぬがれがたき前生の因縁。昔、行者からもらって水晶の数珠の文字が『仁義礼智忠信孝悌』から『如是畜生、発菩提心』に変わってしまっています。畜生に導かれ、菩提の道にわけ入れとの天の意志でございます。八房について行くしかありません」

 伏姫は、数珠を襟にかけ、筆墨紙などの一揃え、法華経、刀だけをもって、八房の背中に腰掛けました。すると八房はすでに暗くなった表へ走り出します。

 どこへ行くのでしょう~。お楽しみに~。

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このページは、宝徳 健が2009年11月 9日 05:15に書いたブログ記事です。

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