どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 どこまで話しましたっけ? そうだ、八房が伏姫を乗せてどこかに行ったところまででしたね。
 里見義実(さとみ よしざね)は、信頼する部下に百人ほどの兵をつけて、八房のあとをつけさせました。八房は飛ぶように走り、追いかける兵の馬もこれに劣らず早く、夜中走り続けて、その暁に、八房は富山の奥に分け入りました。

 以前にも紹介しましたが、富山は房総半島で一番高い山です。一度、八房と伏姫がすごしたという洞穴に行ってみましたが、ほんとうに神秘的で、少し恐いような感じがしました。今でも周辺には人家は一軒もありません。

 さて、話に戻して、富山は霧が深く立ち込めていました。隊長は一人だけの兵を連れて富山に入りました。馬が倒れたので、二人で山をよじのぼっていくと、いつか山また山の間に雲がおさまって、はるかかなたに、伏姫を乗せた八房が谷川を渡っていきます。谷川のほとりに来たけれど、水はみなぎって深く、流れも速いのです。

 隊長と兵は、なんとか役目を果たそうと、その流れに入りましたが、あっという間もなく、流されてしまいました。後から来た兵は、そこに入ろうともしませんでした。

義実の奥方は、伏姫のことを案じ、毎月老女達をひそかに富山に遣わしましたが、谷の激流を越えることができません。それどころか、谷の向こうは、四六時中霧が立ち込めています。

 さて、一年が過ぎました。八房と伏姫はどんな生活をしているのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2009年11月16日 05:15に書いたブログ記事です。

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