チーズスライスとねこだまし（12月2日の日誌）

　こんな事業仕分けを８割の国民が支持していることなどまさに衆愚です。はっきりと言います衆愚です。

　なぜ、この事業仕分けが愚かか。3つの観点から述べます。

　まずは、財政上の問題です。あのくだらないマニュフェストに示した政策を実行するための財源欲しさにやっているということ。そのためには科学技術でも槍玉にあげています。でも、そんなに大きな無駄がないために、結局国家予算が膨らんでしまうことです。また、脱官僚といいながら、この仕分け指針は財務省のものです。まったくつじつまがあっていません。

　次にチーズスライス。企業においてもそうですが、無駄を排除しようとか経費を削減しようとするときに、検討案件を一律に論じてはいけないということです。こういう一律で論じてしまうことをチーズスライスといいます。チーズを切るときに、薄く同じように切るからこういう言葉が生まれました。案件に重要度をつけ、重要なものはむしろ大胆に使い、そして、無駄なものはゼロにするぐらいの勢いでないといけません。いちいちそんな重要度を官僚に聴く必要はなく、政治で意思決定すればいいことです。でも、今の民主党　鳩山政権は意思決定をしません。国民、国民と連呼し、衆愚の人気取りをしています。ですから、この事業仕分けは無意味です。意思決定をしない。つまり、責任を取りたくないという意思表示です。ものすごく危険です。国家がつぶれます。ひとつ例を挙げます。鳩山首相は「国民の監視のもとにさらしてよかった」と言っています。とすれば、科学技術という長期的展望にたった国家戦略について、短期的な効果のみ、論じていた、あのキャスター出身のおばかな女の人がいました。科学技術の停滞は国の将来的な危機を招きます。　鳩山首相はきっとこう言いたいのでしょう。「国民監視の下で、国が将来危機にさらされることが決まってよかった」と。

　三番目がねこだまし。ねこだましってしってますよね？　相撲の技のひとつで、相手の目の前で手をパンとたたくと相手がびっくりします。相手の目をその手をたたく行為に集中させて別の技をかけます。今回の、民主党　鳩山駄作政権は、別の技は準備していません。意思決定をしないのですから、政策という技ができない。でも、その政策ができないということから国民の眼をそらすために、行った「ねこだまし」がこの事業仕分けです。今の日本には、重要案件が山積みです。あんな学芸会みたいな事業仕分けの優先順位ははるか後方にあります。それを支持している衆愚がほんとうに情けない。

　以上の三つが愚かな理由です。この事業仕分けは、まるで、共産主義国家が得意としている吊るし上げの「自己批判」そっくりです。一人を壇上にあげて、周りを人間が取り囲み、その一人が自分で自分を批判するまで、周りの人間がなじるのです。かつての核マルや日本赤軍もお得意でした。周りの人間は、そう思っていなくても、批判をしないと、次は自分がさせられるから、必死です。
　また、以前努めていた会社でもありました。その事業について、何も知らない役員部長が就任しました。前の部長の政策をすべて否定します。「ひとつひとつ点検しろ」との号令の元、今回のバカキャスターの女性のような社員が何人か任命されます。また、その任命されるのが、おべっかがうまい人間ばかりです。実施している案件を、まるで「魔女裁判」のように扱っていきます。なんで、こんな能力のない人間に言われなければならないかと腹が立ちました。まあ、そのときは、そいつを裏に呼び出して、胸ぐら掴んで脅したら、私の案件には一切口を挟まなくなりましたが（それで口を挟まなくなるのも情けないことですが。まあ、やる方もこのていどの意志です）。

　学校時代もありませんでしたか？　なにやら勉強がよくできる先生の覚えもよい優等生の女の子が学級委員や風紀委員に任命されたら、いたずらっ子の男の子達を先生に言いつけるなんてことが。

　申し上げたいのは、反論の余地なき正義を振りかざして、全権を行使するということが人間社会においていかに愚劣な行為であるかということです。まったくくだらないことに税金と時間を使ってくれるものです。民主党に目覚めよということは至難の業でしょう。だったら、目覚めよ！衆愚！