貞観政要

| コメント(0) | トラックバック(0)
 このシリーズは右のカテゴリー「貞観政要」に格納されています。

 魏徴の諫言が続きます。
「立派な人間になれるかどうかは、周りの人間の影響も無視できません。それはあたかも香草のなかにいれば甘い香りに染まり、腐った塩魚のなかにいれば悪臭に染まるようなもので、自然に感化されるからです。ですから、ふだん付き合う相手は身長に選ばなければなりません。

 陛下は、即位した当初は何事にも筋を通し、えこひいきなどはされず、常に正論を支持し、もっぱら君子に親しんで、小人は退けておられました。ところが近年、すっかり様変わりされ、小人には心安く接し、君子は尊重されています。尊重していると言いましても、実は敬して遠ざけれいるのでありまして、逆に小人に対しては、内心ではばかにしながら、実は慣れ親しんで近づけています。

 小人どもを近づければ、彼らの欠点が見えなくなり、時とともにいっそう近づけるようになります。また、君子を遠ざければ、彼らのよさが理解できなくなり、ますます遠ざけるようになるでしょう。小人に親しむのは、政治にとっても好ましいことではありません。君子を遠ざけるのも国を興すゆえんではありません。

 これが有終の美を飾れないことの四つ目であります」

 まだまだ、続きます。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/450

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2010年2月15日 07:31に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「個性の本当の意味(2月13日の日誌)」です。

次のブログ記事は「どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。