どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 千葉家の殿様の家老がなかなか曲者だとわかったところまででした。
 


仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 一方、千葉家の殿様は、名笛 あらし山を取り戻してご機嫌です。家老に「あの犬田とか申す勇士をなんとか当家に仕官させよ。早く対面したいものだ」と催促しました。

 家老は答えました。

「仰せではございますが、あの小文吾についいては、弱り果てた猪を殴り殺したのかもしれません。たいして勇敢ではないかもしれません。笛の件も、小文吾が持っていたのを、船虫の家に置いてきたのかもしれません。また、小文吾は他国の回し者かもしれませぬ。当分、私めが預かりまして、真偽を確認いたします」

 殿様は「大切な客人としてもてなせよ」と命じ、家老に任せました。

 自宅に戻った家老は、小文吾を呼びました。一日も早く釈放してくれという小文吾に、家老は言いました。

「ごもっとも、ごもっとも、お気の毒でならぬが、殿様がお疑いのようなのじゃ。殿様が、あなたを里見か古河のスパイにちがいないかから、拷問して白状したうえ、河原にさらし首にせよと厳命されたが、それがしが、諌めてようやく思いとどまらせたのじゃ。今しばらく待ちたまえ。殿様の疑いさえとければすぐに自由になっていただけるから」

 家老は、庭の置くにある離れ座敷に小文吾を移り住まわせました。浴室も厠もつういて、三度三度ご馳走もでます。でも、それを運んでくる少年以外は誰も姿を見せません。戸にはすべてかたく錠がかかっており、全くの監禁状態でした。

 小文吾はいったいどうなるのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2010年3月27日 06:38に書いたブログ記事です。

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