どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝

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 現八が洞窟の男の霊に、証拠としての髑髏を渡されたところまででした。

義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 現八は、その明け方、洞窟の男に教えられたとおり、山道を辿って、角太郎の家を訪れて、犬士を探しているときりだすや、角太郎の方も「昨夜一頭の巨犬を抱いたら、自分も犬になった夢を見て、びっくりして目を覚ました」と不思議がるではありませんか。

 現八は「それがしの義兄弟は犬塚信乃、犬川荘助、犬山道節、犬田小文吾、犬江親兵衛、それがしと共に6名。他にまだ二人いるはず。貴兄はふしぎな玉をお持ちではござらぬか。その玉には、はっきりと礼の文字があらわれているでしょうが」と問いました。

 角太郎は、また驚きます。「どうしてそれをご存知か。その玉はそれがしが生まれたころ、母が守り袋に石を入れておくために北陸の有名な神社に行くひとに、頼んだところ、もってきたのが石ではなく、その玉でした。この玉を水にひたしてその水を飲めば、たちまち快癒したものです。がそれがし以外の人には効き目はないようです。それでもこの夏のはじめ、妻の雛菊がはげしい腹痛をおこしたので、あの玉をひたして水を飲ませようとしたところ、雛菊はあやまって、水もろとも、例の玉を飲んでしまて、その後玉は出てきません。
 それどころか、養父の死後三年間は忌中ゆえ、夫婦臥床を共にしていないのに、雛菊の腹が大きくなり、妊娠の兆候があらわれてきました。不倫だろうと義母がやかましいので、かわいそうだが、離縁をいたしました。お恥ずかしい次第です」

 そのとき、義母の船虫が突然訪ねてきました。船虫は、角太郎の父親(例の妖怪)が、弟子に恵子をつけていたとき、弟子が誤って、角太郎の父の眼に矢を当ててしまってひどい怪我をしたと伝えました。

 また、途中で川に身を投げて死のうとしていた雛菊を、死ぬのを止めて連れてきていました。そして、何かの間違いだろうから雛菊を許すように、角太郎にいいました。そして、船虫は帰りました。

 船虫が来たときに、隣の部屋に移っていた現八は、船虫が帰ると、角太郎に呼ばれ、雛菊を紹介されました。

 これは何かおかしいと感じた現八は、角太郎夫婦が止めるのも聞かずに、様子をさぐりにいきました。これからがおもしろい。つづく。

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このページは、宝徳 健が2010年4月24日 09:09に書いたブログ記事です。

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