和歌

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 私の好きな柿本人麻呂の歌に次のものがります。

 東(ひむがし)の 野にかぎろひの 立つ見えて かえり見すれば 月傾(かたぶ)きぬ
 高校の時にならいましたね。「東方の野にあけぼのの光がさしそめるのが見え、振り返って西を見ると月は傾いている」という意味です。

 暁(あかつき)を待ちかねて何度か頭を枕からもちあげた人麻呂の眼に、東方の地平線の紅(かぎろひ)が映り、暁が訪れました。静寂な天地、ぽっとあかるい黎明の東の空、刻一刻赤さは濃くひろがってやがて太陽が昇るきざしをみせています。ああ、と大きな嘆息をして西の空を顧みると、いまや光を失った白いつきが山の彼方に入ろうとしています。小さい人間の心で受けきれないほどの大きな自然の現象を詠んでいます。ものすごく迫力のある歌ですね。

 では、拙首です。

 はなみずき つつじに ポピー 花々が 彩る春が 心和ます


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このページは、宝徳 健が2010年5月 1日 06:45に書いたブログ記事です。

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