このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。
カウンセリングには三段階がありました。
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」を勉強しました。
②の「問題の核心をつかむ」を勉強しています。前回から問題の核心をつかむための「質問」を一緒に勉強しています。前回は、質問の中でもオープンクエスチョンを勉強しました。今日は、質問の第二の要点以降を勉強しましょう。
質問の第二の留意点は、クライエントの語ったことに関連あることから聴くことです。「聴く」のです。よく経営者で、相手が語ったことに関連したことで、「自分の話をしてしまう人」がいます。これ絶対に注意です。
相手「これこれ、こうこうなんですよ」
自分「そうそう、それさあ、この前、僕もね・・・」とか「そうそう、うちの従業員もさあ」とか・・・。
相手は口には出しませんが、うんざりします。得意になって話しても、自分がコミュニケーション不全症候群になっていることに気づきません。
コツは、質問に答えることによって考えが発展するとか、今まで気づかなかったことがはっきりしてくるような聴き方がいいのです。
例
ク「主人が三日も家に帰って来ないんです」
カ「何かきっかけでも・・・?」
これはOKです。
それが、こういう質問ですと、ドギマギしてしまって、「ご主人の学歴は?」「お子様は何人ですか・・・?」と慣れない人はやってしまうのです。「うちなんか、昨日、何時で、一昨日何時で、・・・」なんてやってしまうと目も当てられません。
情報を収集してしかるのちに処置したり、自分の事を知ってもらうのがカウンセリングではありません。会話そのものが援助になるようなやりとりでなければなりません。会話に発展が必要なのです。
第三の留意点は、好奇心を持って聴かないことです。
カウンセラー個人の好奇心を満たすためにきくと、クライエントは自分のプライバシーを不当にのぞかれた感じがします。それゆえリレーションがつきません。
例えば、みなさんが家を買うことを考えるとします。まだ、買う家を決めていなくて、捜し歩いているときに「ご予算はどのくらいですか?」「ボーナスはいくらですか?」「年収は?」などと聴かれたらいやになりますね。
でも、いよいよ買う気になって、支払方法の相談に乗ってもらう段になると、同じ質問でもイヤではありません。どうしてもその手の情報が必要になっているときでも、聴いているうちにクライエントが嫌な顔をするときは、すぐにその理由を説明するのがよいでしょう。
私の経験を申し上げます。あるセールスマンが事務所に来ました。なかなかよいシステムなので、契約することにしました。そのとき、私は、お医者さんにいただいたボールペンを使って契約書を書いていました。
相手「職種はなんですか?」
私「経営コンサルタントですが、この契約をするのに、私の職種が何か関係ありますか?」
相手「いえいえ」
(しばらくして)
相手「お医者さんのコンサルタントですか?」
私「はっ?」
相手「いえいえ、薬屋さんのボールペンを使っていらっしゃるものですから」
私「私の職種は、この契約を結ぶのに、何か障害となるのですか? なるんでしたら、はっきりと言って下さい。手間を取りたくないので」
相手「いえ、決してそんなことはありません。申し訳ございません」
私「・・・・・」
相手「ところで何件くらいのお医者様のコンサルタントをしていらっしゃるのですか?」
私「いったいなんなのですか? 契約やめましょうか?」
まさに、相手の好奇心以外の何ものでもありません。とても便利なシステムで驚くほど安価だったので、その場は我慢しました。最近、この手のセールスマン多いですね。あっ、そうだ、この会社、数日前の、このカウンセリングの技法のところで書いた、変な繰り返しを電話でしれくれた会社です。システムはいいのにな~。残念でなりません。競合他社が出てきたらきっと私は変えると思います。人ですね。アナログですね。大切なのは。
次回は、質問の第四の要点を勉強しましょう。勉強したら学習してくださいね。
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