カウンセリングの技法

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。。
 カウンセリングには三段階がありました。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする  リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 面接中期の留意点の中の感情移転を解説しています。クライエントが示す感情転移の内容で多いのは、①依存性(甘え)、②愛の感情、③アンビバレンスです。今回は、③アンビバレンスです。

 このアンビバレンスは、カウンセリングの世界だけではなく、私たちコンサルティングの世界はもちろん、職場・家庭でもかなり参考になりますので、是非、お読みください。

※「誰にでもわかる大東亜戦争の真実」は、原稿を岐阜に忘れてきてしまいました。週末からまた再開します。

 感情移転として最も頻度の高いものがこのアンビバレンスです。愛と憎しみ、近づきたい気持ちと避けたい気持ち、信と不信など相反する感情を同じに移転する場合です。

 私たちは、子供時代に、親にアンビバレンスな感情を抱きます。親は愛の対象であると共に、親から禁止・命令を受けるので、憎悪・敵意の念も持ちます。きょうだいも相互に愛着を持ちながら、親の愛をめぐって、相互にライバルの立場にあるので愛情を同時に持ちやすいのです。

 この親や家族など、身近な人から受けるアンビバレンスが、その人の大人になってからの人生を大きく縛ります。それが、パラダイム(既成概念)、イラショナル・ビリーフ(非合理的な信念)となって、「しなければならない」「するべきだ」という非主体的思考を生んでしまいます。

 それでも愛>憎悪・敵意のときは、まだ、心のバランスがとれるのですが、愛<憎悪・敵意のときには、この非主体的思考がかなり強く出てしまいます。そして、職場などの、社会的組織の中でひずみを生じさせます。

 カウンセリングという一対一の場合もそうです。カウンセラーに敬服したい気持ちと反発したい気持ち、胸襟を開きたい気持ちと負けてなるものかという気持ちとを同じに移転することになります。外部から観察すれば、言動に起伏がある、不安定、態度がクルクル変わる、気分や、休まずに熱心に相談にくるわりに、こちらが右と言えば左、左と言えば、右という具合に一向にかみ合わないことなど。

 こういうときは、アンビバレンスの状態に相手がいることに気づかせてあげることです。そのためには、カウンセラー終始一貫した態度で臨む必要があります。相手の感情の起伏に一喜一憂して巻き込まれてはなりません。

 感情移転を3つ述べてきましたが、どの感情移転も、とにかく、カウンセラーの姿勢が大切です。カウンセラーは常にニュートラルを心がける必要があります。

 クライエントは、そこに交流分析で言うゲームをしかけてきます。軽い症状であれば、時々は乗ってもいいのですが、巻き込まれると大変なことになります。相手に、無用な勝利の意識を持たせてしまって、感情移転が益々進むことになります。

 しかしながら、カウンセラーがクライエントの感情移転を上手に扱った場合(つまり、対抗感情移転を起こさず、相手に感情移転を気づかせた場合)、クライエントは不安や罪悪感から開放されます。相手を困らせている自分はよくない、という自責の念から開放されます。そこに信頼感が生まれます。

 また、クライエントは、今まで味わったことがないような新しい人間関係を構築します。

 私はよく関係者に言いますが、人とカウンセリング的に話をするときは、一緒に温泉にでもつかっている気分でやってください。このカウンセリングの最初の頃の内容を思い出してください。相手と自分が二人いるような状態では、カウンセリングは決してうまくいきません。相手と自分が一体となったときに、やっとコミュニケーションがはじまるのです。

 上司・部下、親子も同じですね。

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このページは、宝徳 健が2010年12月22日 05:08に書いたブログ記事です。

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