カウンセリングの技法

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 カウンセリングには三段階がありました。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 面接中期の留意点を続けます。前回までは抵抗でした。前回から対抗感情移転を解説しています。大切なところなので、複数回に分けて解説します。

 カウンセラー側の対抗感情移転が起きる第二の原因は、カウンセラーの受身性です。受容という美名のもとにカウンセラーが自分の気の弱さを合理化することがあります。
 
 人間は、言葉を自分の都合のよいように解釈することがたくさんあります。特に、戦後の誤った教育を受けてきて驚くほど弱くなった私たち日本人は、その言葉の真の意味を考えずに、自分の都合のよいように解釈しようとする傾向がとても強くなっています。

 カウンセリングでも「受容」という言葉を教えると、では、自分は、ただ受身であればいいのだと受け取る人が多いのも事実です。「リレーションを作る」という積極姿勢のための受容と受け取らず、自分の都合のよいように捉えます。他の言葉に関してもこういうことが多々見られます。

 暗殺によりローマ皇帝になりそこなったユリウス・カエサル(英語名:ジュリアス・シーザー)は、こう言っています。「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しかみない」。

 話を戻します。こういうカウンセラーに対しては、クライエントは、打ってもも響かないので、これでもか、これでもか、と攻撃的あるいはサディスティックになります。カウンセラーはますます受身になります。部下によいようにやられている上司や、家庭内暴力、生徒にバカにされる教師などは、まさにこれですね。

 リレーションとは相互的なものです。カウンセラーのフィードバックなしには援助にはなりません。カウンセリングは、相手の問題の本質に迫るような人間関係です。だから、円満主義のニコニコムードでは事足りません。カウンセラーの側の打って出る能力―知力、分析力、攻撃欲―が必要です。カウンセラーの受身的性格が表面に出て、これらの能力が発現しないとすれば、交流分析でいう「ゲーム」に巻き込まれてしまいます。

 みなさんも思い当たる節はありませんか? つづく。

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このページは、宝徳 健が2010年12月 2日 08:29に書いたブログ記事です。

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