カウンセリングには三段階がありました。
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。
面接中期の留意点を続けます。対抗感情移転を解説しています。大切なところなので、複数回に分けて解説しています。今回は、対抗感情移転に陥らず、相手のために動いているかどうか、私情に左右されていないかどうかを確認するチェックポイントでしたね。
①あるクライエントの来る日が待ち遠しい。会うのが楽しみ。
②あるクライエントから来れないという連絡があったとき、会えなくてがっかりした、という感情が出てきた。
③あるクライエントの言動が非常に印象的、あるいは感銘を受けた。
④定刻をすぎても話し込んだ。あるいは話し込みたかった。
⑤社交会話に時間をとりすぎた。
以上の5つはプラスの対抗感情移転の兆しです。ほれ込みの警鐘です。
⑥またあの人が来るかと思うと気が重い。
⑦何か一喝食らわしてやるか、などと思う。
⑧会っていても楽しくない。飽きた。義理で会っている。
以上の3つはネガティブな対抗感情移転の兆しです。拒否・怒りへの警鐘です。
さて、これまで、書いてきたことは、対抗感情移転は好ましくないという前提に立っていました。しかし、対抗感情移転を恐れるとカウンセラーは自己表現が抑制されるので、他人行儀な印象を与えてしまう危険性があります。親子、上司、教師と生徒なども同じですね。
カウセラーが鎧をぬがないで、クライエントにのみ脱がせようとしてしまうことになります。したがって、二人のリレーションは相互的にはならなくなります。人間的な温かみにかける恐れがあります。
では、なぜ、こういうことを解説したか。それは、知っているのと知らないのとでは、結果がまったく違うからです。
私たちは神様になれるわけではありません。知っていれば振り返り修正することが可能です。知らないといつまでもずるずるといってしまいます。
このカウンセリングの技法そのものがそうです。私たちは、専門的な訓練を受けていないので、プロのカウンセラーにはなれません。絶対になれません。錯覚してしまうととんでもないことになります。
でも、知っているのと知らないのとでは、いざというときの相手への接し方がまるで違ってきます。このブログにカウンセリングの技法を書く目的だとご理解ください。
さて、対抗感情移転はここまでです。次回から、感情移転の解説をします。
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