カウンセリングの技法

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。。
 カウンセリングには三段階がありました。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする  リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 前回まで、面接中期の留意点の中の感情移転を解説しました。さて、いよいよ面接中期の最後の留意点です。カウンセラーへの個人的質問です。

 このシリーズも長くなりました。8月末から書いていますから、4ヶ月ですね。あと1ヶ月ぐらいで完結します。

 クライエントがカウンセラー個人のことについて質問したときはどうすればいいでしょうか。「先生は結婚しておられますか?」「先生でも夫婦喧嘩をしますか?」などです。これを、カウンセラー的に答えると笑ってしまいます。「あなたは私が私が結婚しているかどうか気になるわけですね」「あなたは私でも夫婦喧嘩をするかどうか知りたいわけですね」となってしまってみもふたもありません。こういう応答では、相手が冷たさを感じてしまってリレーションが作れるわけがありません。

 「先生、僕のこと好きですか?」と聴かれたら「そうだなあ、誠実なところは好きだけど、もう少しくずれたところがあってもいいじゃないかなぁ」と正直に言うのがよいでしょう。そして、すぐに、「僕が君をどう思っていたと思う?」「僕に好かれていないように思っていたの?」などと切り込んでいく事が効果的です。

 人間というのは、人に対してした質問には、必ずと言っていいぐらい裏に「聴いてほしいこと」があります。それを察知して聴いてあげることは、愛他の防御を解消し、かなりリレーションを深めることになります。それほど、相手が発してくる質問は大切です。そして、その質問をよく聴くことも。

 職場でも家庭でもそうですよね。「お父さん、僕の子と好き?」と聴かれたときに、「ああ、大好きだよ」で終わってしまっては、子供とはリレーションが取れません。「もちろん、大好きだよ。○○はお父さんの子と好き?」と聴くと、目を輝かせて「うん!」となります。つまり、この子は、自分がお父さんを好きだということがわかってほしかったから、この最初の質問をしたのです。

 「夏休みはどこに行かれたのですか?」「年末年始はどうされるのですか?」などもそうです。もちろん、会話に詰まった社交辞令のときもありますが、たいていの場合、自分の事を聞いてもらいたいのです。

 繰り返します。相手が発する質問は、その裏に何かのメッセージがあります。それを読み取ることがリレーションを深める上でとても大切なことになります。見逃しがちですが・・・。

 では、クライエントから発する質問に対して自信を持って応えにくいときはどうするか・・・。次回勉強しましょう。

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このページは、宝徳 健が2010年12月23日 13:05に書いたブログ記事です。

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