和歌

　これまでは、東福岡高校に阻まれて出場がなかなかかないませんでした。東福岡高校は、この大会で連覇を狙っています。東福岡高校の全国大会前年度優勝にともなって、福岡県大会は出場枠がひとつ増えたので出ることができました。でも、その中でも勝ち抜いてですから立派！立派！

　わが福岡高校は進学校です。文武両道。今は知りませんが、面白い先生がたくさんいました。地理の先生「いいか、高校は4年間あると思え。受験のために高校生活を送るようなくだらないことをするな。精一杯高校生活を楽しんで、そして、もし、駄目だったら浪人すればいいんだ」。化学の先生「はい、このフラスコの中身とこのフラスコの中身を混ぜて。混ぜた？　じゃあ、それなめてごらん。死ぬから(みんな顔を青くして手を止めます)」。

　校則はありますが、ほとんど規制はありません。ものすごく伸び伸びとした自主独立の精神があります。生徒を大人扱いしました。任せたら先生達は一切口を出しません。まるで、大学のような雰囲気がありました。卒業して進んだ大学は「独立自尊」です。中学はどうしようもない、どんぐされの不良学校でしたが、高校・大学は恵まれました。私の性格は、親が子離れが早かったのと、この高校・大学で学んだ精神から来るものでしょう。

　こういうこともありました。部活が終わって、近所の酒屋さんで「角打ち(昔の酒屋さんは、店内にカウンターがあって、そこでお酒を飲めました。つまみも食べられました)」をしていました。すると先生が入ってくるではありませんか。

「きさんら(貴様ら：お前ら）、なんば飲みよっとや！」
「部活ば終わって、のどが渇きましたけん、ジュースば飲みよります(本当はお酒)」
「ほんなごつ、ジュースや！　なら、そのジュースば飲み終わったら、はよ帰りやい」

　ねっ、いいでしょ～。

　さて、そんな福岡高校は、かつてはラグビーの名門高校でした。かつて出場回数は秋田工業についで二位。優勝も何度も経験があります。男子学生服の襟章は、ラグビーボールの形をしています。応援歌はかつてのラグビー部下のものもあります。なんせ、応援歌がたくさんあります。新入生で入ると、応援団に全員、体育館へ閉じ込められ、応援歌の練習を徹底的に仕込まれます。もし、声が小さいものなら、すごく大きな声でどなられます。先生達はノータッチ。

　福岡高校を卒業した男子で、ラグビーのルールを知らない者はいません。クラスマッチでやりますから。体育の授業でも。クラスマッチは脳震盪を起こす者続出です。進学校なのですが、荒い荒い。体育祭の騎馬戦では、殴り合って顔を腫らしまくります。まさに九州男児(ますらくすお）ですね。硬派・バンカラという言葉が残っていた時代です。今の、草食系とかイクメンなんていう、軟派な男を見ると、吐き気がします。

　その福岡高校でも、学問との両立に悩み、しばらくは全国大会に出場することはできませんでした。出場しても、一回戦を勝ち抜くことができませんでした。それが、なんと、福岡高校ＯＢ、明治大学から新日鉄釜石に進んで、元日本代表　森さんが監督になったのです。すごい選手だったんですよ！　全速力で走ってきて直角に曲がる人です。ちなみに、福岡高校の名門部は、テニス、ラグビー、バスケットです。この三部が同時に全国優勝したこともありました。

　ああ、うれしい。ああ、うれしい。えっと、和歌でしたね。後輩たちに拙首を。

　名も知らぬ　後輩たちの　青春だ　さあ花園へ　いざや出陣

　おまえらを　知らんばってん　がんばりやい　なんのごつない　勝てばよかよか　

　28日に一回戦です。勝てば28年ぶりの花園勝利。いけー！！！

ＰＳ　だいたい、福岡第一高校とか東福岡高校とかは、私が高校のときは、ものすごい不良高校でした。よく、電車の中とかで喧嘩をしました。それが、今や、野球とかラグビーの名門校です。変われば変わるものです。よく喧嘩をするものですから、私と一緒に学校に行ってくれる友達がいなくなりました・・・・・。