このシリーズは右のカテゴリー「短編小説」に格納されています。
石田あゆみさんが昔「♪あなたな~ら、どうする~♪♪あなたな~ら、どうする~♪ ゆ~くの歩くの死んじゃうの~♪あなたな~ら~♪あ~なたなら~♪」という歌を歌っていました。古いですね。それとは全然関係がありません。
さて、この短編小説、人間のいやらしさを知りながらも、世の中で起こりがちな事を題材にしています。人間は、どんなことを考えるか、どんなことをやってくるか、どんなに恐ろしいか、そして、それをどう切り抜けるか。今日の短編小説から、前半に、ある状況を書きます。その状況におかれたときに、読者の皆様ならどう切り抜けるかを考えてみてください。生きるか殺されるかの瀬戸際です。数日後に、後半の小説を書きます。そこには切り抜け方が書いてあります。
昔々、支那に秦の国と楚の国がありました。秦の宰相は張儀という人です。その楚に陳軫(ちんしん)という非常に有能な人がやってきました。
石田あゆみさんが昔「♪あなたな~ら、どうする~♪♪あなたな~ら、どうする~♪ ゆ~くの歩くの死んじゃうの~♪あなたな~ら~♪あ~なたなら~♪」という歌を歌っていました。古いですね。それとは全然関係がありません。
さて、この短編小説、人間のいやらしさを知りながらも、世の中で起こりがちな事を題材にしています。人間は、どんなことを考えるか、どんなことをやってくるか、どんなに恐ろしいか、そして、それをどう切り抜けるか。今日の短編小説から、前半に、ある状況を書きます。その状況におかれたときに、読者の皆様ならどう切り抜けるかを考えてみてください。生きるか殺されるかの瀬戸際です。数日後に、後半の小説を書きます。そこには切り抜け方が書いてあります。
昔々、支那に秦の国と楚の国がありました。秦の宰相は張儀という人です。その楚に陳軫(ちんしん)という非常に有能な人がやってきました。
「旦那様、そろそろお目覚めの時間でございます。今日もよい天気ですよ」
「おお、ありがとう。本当によい天気だなあ」
秦の国に来て、位を極め、宰相の地位にまで上り詰めた張儀であった。抜けるような秋の青空を見ると、まるで天が自分を祝福してくれているようにさえ思えたのだった。戦国最強の秦の宰相ともなれば、それは支那全土を征服していると言っても過言ではない。
「さてと、朝食をとって、朝議に向かうとするか。」
今日も、自分が朝議をリードできると思うと快感という電気が背中を駆け抜けるようである。
「みなのもの、ご苦労である」
秦王の声が朝議に響き渡った。一通り朝議が終わり、閉会かと思われたその時である。
「本日は、みなの者に申し伝えたいことがある。楚の国より陳軫(ちんしん)という者が、楚の国に仕えたいと申してまいった。余は受けようと思う。世に聞こえた賢者であるからのう」
文武百官の顔が青ざめた。支那の戦国当時は、名家が王として君臨したのではなく、部下が主家を倒して自らが王の座につくという下克上の時代であった。それは、そうやって王についた自分もいつ、部下によって取って代わられるかわからないということを意味していた。よって、各地の王は、競って有能な人物を集め身の回りを固めた。一方で、人間のねたみそねみが噴出し、醜い人間同士の駆け引きの場を作ることにもなっていったのだ。
陳軫(ちんしん)が秦に仕えてしばらくたってから、王とふたりきりになった際に帳儀は王に申し出た。
「陳軫は、王の臣下でありながら、日頃お国の秘密を楚に知らせております。私はこんな男といっしょにお仕えすることはできません。どうか王には彼を追い出されますよう。そして、もし彼がまたもや楚に行くようでしたら、どうぞ殺しておしまいなさい」
「陳軫め、なんでまた楚へ行こうとするのだ。それは許せん!」
王は、陳軫を召し寄せました。
「余は、そなたを優秀な人間だとは思うが、いろいろあってのう。できる限りのことをするので、他国に行ってはもらえぬか。車も路銀も用意しよう。そなたはどこへ行きたいか」
陳軫は答えました「楚の国に参ります」。王が言いました「なんじゃと!!!」
さあ、陳軫(ちんしん)は、ここで、王を納得させる発言をして、王の信頼を勝ち得ます。帳儀が殺そうとしている中、陳軫は、どういう答弁でこのピンチを切り抜けたのでしょうか?
♪あなたな~ら、どうする~♪
「おお、ありがとう。本当によい天気だなあ」
秦の国に来て、位を極め、宰相の地位にまで上り詰めた張儀であった。抜けるような秋の青空を見ると、まるで天が自分を祝福してくれているようにさえ思えたのだった。戦国最強の秦の宰相ともなれば、それは支那全土を征服していると言っても過言ではない。
「さてと、朝食をとって、朝議に向かうとするか。」
今日も、自分が朝議をリードできると思うと快感という電気が背中を駆け抜けるようである。
「みなのもの、ご苦労である」
秦王の声が朝議に響き渡った。一通り朝議が終わり、閉会かと思われたその時である。
「本日は、みなの者に申し伝えたいことがある。楚の国より陳軫(ちんしん)という者が、楚の国に仕えたいと申してまいった。余は受けようと思う。世に聞こえた賢者であるからのう」
文武百官の顔が青ざめた。支那の戦国当時は、名家が王として君臨したのではなく、部下が主家を倒して自らが王の座につくという下克上の時代であった。それは、そうやって王についた自分もいつ、部下によって取って代わられるかわからないということを意味していた。よって、各地の王は、競って有能な人物を集め身の回りを固めた。一方で、人間のねたみそねみが噴出し、醜い人間同士の駆け引きの場を作ることにもなっていったのだ。
陳軫(ちんしん)が秦に仕えてしばらくたってから、王とふたりきりになった際に帳儀は王に申し出た。
「陳軫は、王の臣下でありながら、日頃お国の秘密を楚に知らせております。私はこんな男といっしょにお仕えすることはできません。どうか王には彼を追い出されますよう。そして、もし彼がまたもや楚に行くようでしたら、どうぞ殺しておしまいなさい」
「陳軫め、なんでまた楚へ行こうとするのだ。それは許せん!」
王は、陳軫を召し寄せました。
「余は、そなたを優秀な人間だとは思うが、いろいろあってのう。できる限りのことをするので、他国に行ってはもらえぬか。車も路銀も用意しよう。そなたはどこへ行きたいか」
陳軫は答えました「楚の国に参ります」。王が言いました「なんじゃと!!!」
さあ、陳軫(ちんしん)は、ここで、王を納得させる発言をして、王の信頼を勝ち得ます。帳儀が殺そうとしている中、陳軫は、どういう答弁でこのピンチを切り抜けたのでしょうか?
♪あなたな~ら、どうする~♪
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