このシリーズは右のカテゴリー「短編小説」に格納されています。
なぜ、短編小説を始めたのかとよく聞かれます。支那の古典にはすばらしいものが多いこと、又、支那人の思考を理解することは、とても大切なのですが、どの本も、今まで支那の古典にあまり触れていないと、どうも読みづらいものが多いことも事実です。
経営においても「外交力」を発揮する場面と「政治力」を発揮する場面があります。そういうときに、支那の古典はとても役に立ちます。
ということで、支那の古典をこの世で一番わかりやすく紹介することに挑戦~。そんなに時間はかけていません。毎回15分もかけていません。このブログで一番時間がかかるのは日誌です(笑)。
では、前回の続きです。だいぶ日があいたので、前回のものを読み返してくださいね。張儀の策謀によって、陳軫(ちんしん)が追い込まれてしまいました。陳軫の運命やいかに。あなたが陳軫なら王になんと答えますか? あなたな~らどうする~。
なぜ、短編小説を始めたのかとよく聞かれます。支那の古典にはすばらしいものが多いこと、又、支那人の思考を理解することは、とても大切なのですが、どの本も、今まで支那の古典にあまり触れていないと、どうも読みづらいものが多いことも事実です。
経営においても「外交力」を発揮する場面と「政治力」を発揮する場面があります。そういうときに、支那の古典はとても役に立ちます。
ということで、支那の古典をこの世で一番わかりやすく紹介することに挑戦~。そんなに時間はかけていません。毎回15分もかけていません。このブログで一番時間がかかるのは日誌です(笑)。
では、前回の続きです。だいぶ日があいたので、前回のものを読み返してくださいね。張儀の策謀によって、陳軫(ちんしん)が追い込まれてしまいました。陳軫の運命やいかに。あなたが陳軫なら王になんと答えますか? あなたな~らどうする~。
陳軫(ちんしん)は答えました。
「楚の人で二人の妻を持っている男がいました。ある別の男が、そのうち年増のほうの気を引いてみたところ、年増はその男をののしりました。若いほうの気を引いてみると、若いほうはなびいてきました。そうこうするうちに二人の妻を持つ男が死んでしまいました。気を引こうとした男に、またまた別の男が聞きました。『よかったじゃないか。お前は若い女のほうを娶るのかね』。『いいや年増のほうだ』。『なぜかね』。『人の妻であるうちは、私の言うなりになってほしいが、自分の妻とする段になっては、ちょっかいをだす男をののしってほしいからだ』。
お分かりでしょうか?私がなぜ楚の国に行きたいかと申し上げたかということを。おそらく、楚の国に行くといったら張儀どのが、私を殺せと王に進言したのでしょう。私は今から、楚の国に行って、王と張儀どののおっしゃる通りの策を推し進めましょう。
今の楚王は英明な君主です。宰相は懸命な男です。私が、秦の臣下でありながら、先ほどの若い女のように楚になびいて、常々秦の秘密を楚王と宰相に告げるようであれば、楚王と宰相は、決して私の作を用いることはないでしょう。
私が楚の間者でないこと、私の秦に対する忠誠を証明できます。もちろん、私はその場で殺されるでしょうが」
楚王は言いました「わたしが悪かった」
支那の古典には、このように窮地を脱するためにたとえ話がたくさんあります。あの残酷な支那で生き延びていくには、不通の知識だけではだめなのですね。
「楚の人で二人の妻を持っている男がいました。ある別の男が、そのうち年増のほうの気を引いてみたところ、年増はその男をののしりました。若いほうの気を引いてみると、若いほうはなびいてきました。そうこうするうちに二人の妻を持つ男が死んでしまいました。気を引こうとした男に、またまた別の男が聞きました。『よかったじゃないか。お前は若い女のほうを娶るのかね』。『いいや年増のほうだ』。『なぜかね』。『人の妻であるうちは、私の言うなりになってほしいが、自分の妻とする段になっては、ちょっかいをだす男をののしってほしいからだ』。
お分かりでしょうか?私がなぜ楚の国に行きたいかと申し上げたかということを。おそらく、楚の国に行くといったら張儀どのが、私を殺せと王に進言したのでしょう。私は今から、楚の国に行って、王と張儀どののおっしゃる通りの策を推し進めましょう。
今の楚王は英明な君主です。宰相は懸命な男です。私が、秦の臣下でありながら、先ほどの若い女のように楚になびいて、常々秦の秘密を楚王と宰相に告げるようであれば、楚王と宰相は、決して私の作を用いることはないでしょう。
私が楚の間者でないこと、私の秦に対する忠誠を証明できます。もちろん、私はその場で殺されるでしょうが」
楚王は言いました「わたしが悪かった」
支那の古典には、このように窮地を脱するためにたとえ話がたくさんあります。あの残酷な支那で生き延びていくには、不通の知識だけではだめなのですね。
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