この記事は右のカテゴリー「短編小説」に格納されています。
「あなたならどうする?」のひとつです。
昔々、支那の国に斉という国ありました。その斉の国に晏嬰(あんえい)という宰相(総理大臣)がいました。
「晏嬰さまは、優秀なお方だが、背は低くてちんちくりんな人じゃ」
人々はこう語るのであった。事実、晏嬰は、いかにも風采のあがらない男だった。そんな晏嬰が宰相の位まで登りつめるのである。その優秀さは誰にも異論のないところであった。
「まあ、わしの風采をおせじでもよく言ってくれるのは、女房どのぐらいじゃ。女房どのひとりでも、認めてくれる女がおればそれで十分じゃ」
晏嬰は、心の中でいつも大笑いするのであった。
そんな晏嬰に、王命が下った。楚の国に使いをしろということであった。
「楚か。なかなか底意地の悪い奴らだ揃っておる。どんな無理難題をふっかけてくるか楽しみじゃわい」
晏嬰のそんな考え通り、楚の国では王がなんとか、支那全土にその有能さをもって名をとどろかせる晏嬰をぎゃふんと言わせたいと画策していた。
楚の家臣たちも、知恵を絞りに絞る。
さてさて、晏嬰が、その国の城門のところまでやって来た。古代の支那は、敵の襲撃を防ぐために、街の外に城壁をめぐらせていたのであった。
晏嬰が城門に近づくと、そこには、楚の家臣どもが待ち受けている。楚の家臣は晏嬰に言った。
「ようこそ、晏嬰さん、よく、いらしてくださいました。どうぞこちらへ」
ところが、家臣たちが案内した門は、人が通る大きなもんではなく、犬が通る小さな門の方であった。晏嬰が、小さな男であったので、小ばかにして大きな門のわきの小さな犬門から入れと言うのである。
さてさて、頭のいい晏嬰は、どう答えてこの窮地を切り抜けたのでしょうか。
♪あなたな~ら、どーする~?♪ 答えは次回ね。
コメントする