このシリーズは右のカテゴリー「短編小説」に格納されています。
昨日の続きです。斉に人質に取られていた楚の太子が、斉王の条件をのんで、楚に帰り、襄王(じょうおう)として即位したところまででした。
斉の使いが約束を守るように言いに来ました。
襄王は、家臣①(ほんとうは名前があるのですが、わかりやすいように)に聞きました。
「斉の使者がやって来て東地要求している。どうしたものだろう」
①「王には、群臣を参朝させられ、みなの者に計略をお聞きになるといいでしょう」
家臣②が朝廷に入って、王に進言しました。
②「王は、お与えにならねばなりません。でないと、王の言葉に、他国は今後一切耳を傾けなくなるでしょう」
家臣②が退出し、家臣③が入ってきて言いました。
③「お与えになってはいけません。わが国は土地が広いから万全なのです。東地五百里を割くことは、命取りになります。私に兵をお与えください。守ってみせましょう」
家臣③が退出し、家臣④が入ってきて言いました。
④「お与えになってはいけません。でも、楚は独力では、斉の猛攻に耐えられないでしょう。与えるふりをしてください。その間に、私が、秦に救援を求めに行きましょう」
王は考えました。
「ふうむ。三人の意見はどれもがもっともじゃ。どうしたものか」
王は悩んだ挙句、最も信頼がおける大夫に三人の意見を告げ、どれがいいかを問いました。
さて、太夫は誰の意見を聞きなさいと言ったのでしょうか~? ♪あなたな~らどうする~?♪
コメントする