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一昨日の続きを書きます。なお、この内容は東京都が基準としているものに準じています。
会社が直面する災害・事故リスクは何か
1 必要性
企業にとって、災害、事故、事件等(以下、簡単化のため「災害・事故」と代表させます)の対策は社員の安全や資産の保全の観点から必要ですが、事業継続の考え方では、加えて、経営を継続する観点や取引先が自社に安定供給を求める観点からも考慮が必要になります。
日本では、自社が直面する災害・事故リスクの種類としてまず挙げられるのは、地震、風水害等の地域で懸念されている自然災害と、火災や設備・ITトラブルなどの自社単独事故でしょう。このステップでは、自社単独事故は各社がそれぞれ想定しやすいですし、また、各社ごとの独自性が強いと思いますので、説明は自然災害を中心に行っていきます。
2 方法
2.1 情報を入手する
多くの自治体が、地域で懸念されている地震、津波、水害、火山などの自然災害の情報をホームページや配布資料などで提供していますので、それらを入手して、概略で結構ですから把握してください。
その上で、貴社が、優先的に対処が必要と考える災害を2,3個、できれば数個あげてみてください。懸念が大きい自社単独事故を加えてももちろん結構です。
この場合、地震でも、例えば首都直下地震と東海地震などは、被害の範囲が異なりますので別の災害と考えることをお勧めします。水害は、近隣の河川の氾濫以外に、都市部では下水道が逆流する局地的な水害も懸念されますので、それらを区別します。そして、それらの中で対処の優先順位をつけてみてください。
なお、社内で優先順位をつけられない場合には、まず地震災害を想定することを推奨します。日本全国、どこでも、震度6以上の地震にあう可能性があるからです。また、海岸や河川沿いの低地などで、過去に水害の経験のある地域では、最初に水害を選ぶことも合理的です。
2.2 その災害・事故による貴社の被害は何かを考える
自社への被害は、例えば地震を例にとると、社員の負傷、建物や設備の被害などの直接被害がまず考えられます。しかし、それだけでなく、貴社の業務に不可欠な電気、通信、水道、ガスなどのライフラインの被害や、道路や公共交通機関の被害による輸送の困難性などもあるでしょう。さらに、貴社は無事でも、貴社の生産に不可欠な材料や部品、サービスを提供する企業が被害を受けると、貴社の生産活動にも被害が及びます。
このように、災害・事故の被害を広い視野で捉えて、認識を深めてみてください。
3 留意事項
最初の段階は、自社が直面する自然災害と事故リスクを確認し、社内で共有することが目的です。したがって、自社の幹部全員が、共通認識を持つことがポイントと考えてください。
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