和歌

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 小学校か中学校のときに百人一首を暗記しませんでしたか? だいだい暗記なんてするからみんな日本の古典が嫌いになります。
 白人は「源氏物語」の存在を認めたがりません。それも作者が女性であるということを。
 自分達よりも数百年も前に黄色人種の日本で、それも、女性があれほどすばらしい小説を書いていることなど、彼らの頭では考えられません。
 
 でも、今の日本人は、源氏物語、伊勢物語など、すばらしい日本の古典を読みません。あ~、損したなあ。学生時代に読めばよかった。我が家には、日本の古典が勢ぞろいしています。私の姉が私の息子にくれたものです。読みたいな~っと思って、持ち出そうとすると、「受験が終わったら読むから持ち出さないで!」と息子に言われました。

 まあ、その話はいいとして。百人一首にこんな歌があります。

 春の夜の 夢ばかりなる 手枕(たまくら)に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ

 周防内侍(すおうないし)の歌ですね。

 ある春の夜に、多くの人たちが夜明かしで物語をしていました。そのうち周防内侍が、ものによりかかり、「枕もがな」(枕があればいいのにな~)とつぶやきました。そうしたら、大納言忠家が、御簾(みす)の間から腕を入れて「これを枕にどうぞ」と言いました。つまり、くどこうとしているわけです。すると、周防内侍がこの歌を詠んだのです。意味は「春の短い夜のほんのつかぬまに、あなたの腕を借りたくらいで、つまらないうわさを立てられてはたまらないわ」です。

 すると、忠家は歌を返します。

 契(ちぎり)りありて 春の夜深き 手枕を いかがかひなき 夢になすべき

 縁があって、手枕を貸すんですから、責任を取りまっせ。絶対にこれっきりにしまへんで。という意味です。

 素敵だなあ。こういう風に恋を語れる民族だったのですね。

 では、拙首です。

 若者が 正々堂々 発言す 可能性あり この国はまだ 

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このページは、宝徳 健が2011年3月 3日 14:00に書いたブログ記事です。

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