新しいシリーズです。このシリーズは右のカテゴリー「ひとりごと コンサルティング」に格納します。
参考文献は「誰にでも仕える民事信託 日本加除出版」です。編著(敬称略) 今川嘉文、石田光曠、大貫正男、河合保弘 著者(敬称略) 飯塚祥一、岡田高紀、岡根昇、杉谷範子
なぜ、このシリーズを書こうと思ったか。
財産管理、後見、中小企業承継、まちづくりなどに、魔法の杖のように使えるのです。特に私は仕事で企業承継をやっていますので、資産の承継の際にどうしても税の問題などで悩んでしまいます。そんなとき、この民事信託は「へー」というような感じで使えます。
でも、日本で信託というと、信託会社などがやっている商事信託なので、ほとんどの人が、それが信託だと勘違いしています。
まあ、硬くなりすぎないように、気軽に読める読み物として書いていきます。
ふ~、やっとブログにシリーズ物を書く力が出てきました。震災後、ブログのシリーズ物も士魂商才もなぜか書く力が湧いてきませんでした。まだまだですね。「イマダモッケイナラズ」。
今日は最初なので、読みやすいように信託の起源を書きます。
「信託」という考え方は、中世ヨーロッパに起源があるとされています。それは十字軍です。十字軍の詳しい解説はここではしません。まあ、あまりキレイな話ではないですからね。子供が兵士になろうと騙されて奴隷で売られたりとか。ホワイトのやりそうなことです。
イスラム教徒から聖地エルサレムを取り戻そうとしたキリスト教徒が編成した軍団です。
長い遠征に行くわけですから、兵士が一番心配したのが、妻の貞操と財産です。妻の貞操については、それを守るために「貞操帯」というものが作られました。
そして財産を守るために考えられたのが「信託」でした。
残った家族のために、所有地を信頼できる友人等に運営管理させて、そこから生じた収益を兵士の家族に渡してもらったのです。当時は、土地の自由処分や教団または僧侶への寄付は、封建制度の下で厳しく規制されていました。また遺言によって長子以外の子供に財産を承継することも禁止させていました。
そこで、十字軍の兵士(委託者)は、信頼のおける第三者を受託者として、土地を信託しました。受託者が、第三者と所定の目的に基づき財産の管理運用を行います。そこからあがる収益を家族に(受益者)。そして、もし自分に何かがあったときも、ずっと、その収益が家族に渡されるのです。
これが簡単な信託の仕組みです。
これからの経営に民事信託の考え方は欠かせなくなります。また、経営だけではなく、一定の資産を持っている方、株の承継で困っている方にも朗報です。
こんなに良い制度なのに、まだ、金融機関ではこの考え方が浸透していません。残念ですね。最も知らなければならないところが。
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