士魂商才第四十一号

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 弊社月刊誌士魂商才第四十一号(平成二十三年三月・四月合併号)が完成しました。21日に発送します。皆様のお手元には今週中には届きます。今回は、震災対応特集も載せております。

 巻頭言だけ紹介しておきます。

【第四十一号:植福】

 

 いつもお世話になっております。「士魂商才(しこんしょうさい)」の第四十一号です。第四十一号のタイトルは「植福」とさせていただきました。「しょくふく」とお読みください。

 

 幸田露伴の「努力論」の中に出てくる言葉です。露伴は「幸福を呼び寄せる道は三つある」と言い、運がめぐってきたときに取るべき態度として「惜福(せきふく)」「分福(ぶんぷく)」「植福」の三つの考え方を示しています。「惜福」とは、いいことがあったときに、その福を使い果たさず一部を惜しんで、あとのために残しておくことをいいます。私はこれへたくそですね。全部使い果たしてしまうので福が残らない。猛省して転換します。「分福」は、いいことがあったら自分だけで独り占めしないで、周りの人に分け与えよということです。「植福」とは、自分に運が巡ってくるとは限らないけれど、とにかく日頃から善行を積んでおこうということです。

 

 SS業界の雄、故宇佐美四郎翁が、私にいつもおっっしゃっていた言葉が「宝徳、いつも同じようにしろ。儲かったからといって無駄遣いして、儲からなくなったからといって節約する。これではだめだ。時間があるからといって、その日はたくさん勉強をする、忙しいからといってその日は勉強しない。これではだめだ」でした。まさに惜福の言葉です。士魂商才第三十九号で紹介させていただいた宇佐美翁の「おまえら元売にくれてやらあ」という言葉は分福です。そして、経営者として後世に立派な事業を残された「植福」があります。世の中には、いろいろな雑誌に紹介される有名な経営者はたくさんいらっしゃいますが、人知れず身近にこんな立派な方もいらっしゃいます。

 

 経営とはまさに「惜福」を行い、ステークホルダーと「分福」を行い、そして、生き方と事業を「植福」していくことなのでしょう。たとえ、自分の時代に芽が出なくとも。世の中のことを知れば知るほど自らの未熟さを恥じます。敬の心を持つために、恥を忘れないことが大切です。今回のタイトルを「植福」とした理由です。

 

最近、この士魂商才の「経営関係」の記事を増やしています。繰り返し申し上げますが、興味のあるところからお読みいただいても結構ですし、興味のあるところだけお読みいただいてももちろん結構です。

 

感謝合掌

平成二十三年四月吉日

株式会社 経営戦略室

代表取締役 宝徳 健

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このページは、宝徳 健が2011年4月18日 04:33に書いたブログ記事です。

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