このシリーズはみぎのカテゴリー「和歌」に格納されています。
前回に引き続き、明治天皇の御製を紹介させていただきます。
前回に引き続き、明治天皇の御製を紹介させていただきます。
池みづの 上にもしるし 四方の海 浪しづかなる 年のはじめは
小さな池の水さえ波一つ立たない平和な年の初めを詠われています。日本の皇室ほど、平和主義者の元首はいません。
なのに、ロシアの横暴により、日本は国家の存亡をかけて、日露戦争を選択せざるを得なくなります。明治37年です。明治天皇は、次の御製をお詠みになられます。
よもの海 みな同胞(はらから)と 思ふ世に など波風の たち騒ぐらむ
四方の人類はみな兄弟だと考えているのに、その世の中で何故に波や風が立ち騒ぐのだろう。戦争が何故起こるのかというやるせなさを詠われています。
明治天皇の孫帝でいらっしゃる昭和天皇も同じです。天皇陛下は、御前会議においても、ご自分の考えは述べられません。権威と権力の違いを認識されていたからこそ、日本の皇室は2671年も続いています。
しかし、昭和16年9月16日の御前会議で、対米戦争必至と決定された折に、この慣例を破って、昭和天皇はご発言をされました。ご発言といっても・・・。
おもむろに懐から短冊を取り出し、祖父の明治天皇のこの御製を読み上げたのです。
明治天皇は一日に40首以上の御製を詠まれたといわれています。和歌を詠むということは、自分にうそがつけないということです。なんともすさまじい、精神修養でしょうか。通常の人間にはできません。
昭和天皇は、そんな明治天皇の御製を愛されました。その歌の一つがこれです。
いかならむ ことにあひても たゆまぬは わがしきしまの 大和魂
私は、この歌に触れるたびに、涙が出てきます。私たちはなんとすばらしい方々をいただいているのでしょうか。こういう教育が絶対に必要です。
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